鎌倉・北鎌倉のあじさいめぐり~紫陽花が見頃を迎える北鎌倉コース

鎌倉の紫陽花シーズンも真っ盛り!すでに人気スポットはかなり混雑している模様です。「鎌倉・長谷のあじさいめぐり~長谷コース」に続く第2弾は、JR横須賀線・北鎌倉駅を基点とした紫陽花お散歩コースを紹介します。

※こちらの記事は2018年に取材した情報になります。(紫陽花の写真:2018年5月30日撮影)

これからが本番、明月院ブルーが境内を染める

8:30 明月院

北鎌倉駅を出発、鎌倉駅方面に線路沿いを進みます。円覚寺を左に見つつ、踏切の手前を左に折れます。川のせせらぎを感じつつ、緑に囲まれた小径を進むと明月院にたどり着きます。あじさい寺として知られる明月院、正面入り口からすでに紫陽花が咲き誇り、拝観者を出迎えてくれます。

北鎌倉・明月院の看板
北鎌倉・明月院の入り口

臨済宗建長寺派の明月院の歴史は、1160年、この地の武将・山内首藤俊通の菩提供養のため、経俊によって創建された明月庵までさかのぼります。同地に1256年、北条時頼が最明寺を建立、子の時宗の時代、禅興寺として再興されました。その後、1380年関東管領・上杉憲方が伽藍を備え、寺域を拡大、支院も配置しました。関東十刹の一位になるまで栄えた禅興寺、明月庵は支院の首位となり、明月院と改められました。禅興寺は明治初年に廃寺となりましたが、美しい自然に囲まれた明月院は、あじさい寺として今も愛され続けています。

北鎌倉・明月院のあじさい

北鎌倉・明月院の紫陽花
北鎌倉・明月院の満開の紫陽花

2,500株もの紫陽花が植えられているという明月院。山門へと続く参道は一番、フォトジェニックなポイントです。雨予報の平日とはいえ、かなりの賑わいを見せていました。青い花を咲かせる日本古来の品種であるヒメアジサイが大半を占め、境内が美しいブルーで埋め尽くされる様子を「明月院ブルー」と呼んでいます。

北鎌倉・明月院の紫陽花

北鎌倉・明月院の紫陽花の通り道
北鎌倉・明月院の紫陽花の通り道

竹林をバックに咲く紫陽花、明月院ならではの風情を感じさせるシチュエーションですね。

北鎌倉・明月院の花想い地蔵
北鎌倉・明月院の紫陽花アップ

開山堂前の花想い地蔵です。パステルブルーの紫陽花を抱えていました。

北鎌倉・明月院の方丈の丸窓

方丈の丸窓の向こうには新緑の本堂後庭園が望めます。紫陽花シーズン同様、紅葉シーズンにも撮影ポイントとして賑わいます。

北鎌倉・明月院の枯山水庭園

須弥山をかたどり仏教観を表現したという枯山水庭園。つつじの名残でしょうか、ちらほらピンクの花が顔を覗かせていました。混雑必至の明月院。紫陽花の色合いは今後、日が経過するにつれ濃いブルーへと変貌し、「明月院ブルー」のピークを迎えます。平日の早朝や閉園間際を狙うと多少混雑を避けることができるかもしれませんが、なんといっても超人気スポット、少々並んだりすることは覚悟しましょう。小さいお子さん連れの方は、階段がありますので、雨の日は特に気を付けてくださいね。


古民家フレンチ『紫-ゆかり-』で絶品・牛頬肉ビロード煮を味わう

11:00 紫-ゆかり-

明月院を出て、駅方面に向かうと間もなく、紫の暖簾がかかる古民家レストラン『紫-ゆかり-』が見えてきます。早めのランチにしましょう。

北鎌倉・古民家フレンチ『紫-ゆかり-』の牛頬肉のビロード煮

こちらは、鎌倉の名店「ミッシェル ナカジマ」のオーナーシェフ・中嶋秀之さんがプロデュースしたお店です。“ビストロ”感覚で、北鎌倉の四季折々の自然とともに、リーズナブルに楽しんでもらおうと2016年5月にオープンさせました。ランチメニューは、「牛頬肉のビロード煮」をメインとしたセットメニュー(2,592円/税込)1種類で勝負します。

北鎌倉・古民家フレンチ『紫-ゆかり-』の鎌倉・湘南野菜サラダ
北鎌倉・古民家フレンチ『紫-ゆかり-』の本日のスープ

前菜は、「鎌倉・湘南野菜サラダ」または「本日のスープ」からのチョイスになります。サラダは、地元のとれたて野菜がなんと20種以上、彩り鮮やかに盛り付けられたサラダです。スープは、季節感漂うホワイトアスパラガスの冷製ポタージュスープ。6月いっぱいは、このスープが提供されます。

『紫-ゆかり-』の看板メニュー・牛頬肉のビロード煮がメインになります。厳選された国産牛を使用し、何度も漉したフォン ド ボーに赤ワインを加え、70度から80度の低温でじっくりお肉を煮込むことでゼラチン質がお肉の中に閉じ込められ、柔らかさの中にあるねっとりとした食感と滋味あふれる旨みを楽しむことができます。セットメニューには、自家製のライ麦パンが付きます。香ばしく深みのある味わいが、メイン料理にとても合います。

北鎌倉・古民家フレンチ『紫-ゆかり-』の紫-ゆかり-プリン

こちらは、人気デザート「紫-ゆかり-プリン(486円/税込)」。有精卵「さがみっこ」というブランド卵と、たっぷりの生クリームを使った濃厚なリッチプリンです。口溶けの良い滑らかさに苦みの効いたキャラメルソースが相性バツグン、テイクアウトもできます。

古民家をイノベーションした内装は、ダークブラウンを基調とし、とてもシックにまとまっています。1階は大きめのテーブルが配された全16席、2階は2人席を中心に28席が並びます。緑の香り立つ心地よいお庭にはテラス席が16席用意されています。

6月のハイシーズン、予約してからの来店ができません。お昼の時間は混み合いますので、なるべく早めか、遅めの来店がおすすめです。

まだまだ楽しめそうな東慶寺の紫陽花

12:30 東慶寺

踏切を渡り、線路の反対側に出ます。鎌倉街道を北鎌倉駅方面に戻ると、左手に東慶寺が見えます。1285年に女人救済の駆込み寺として、北条時宗夫人の覚山志道尼が開創したお寺です。尼寺としての役割を明治期まで果たした長い歴史があるため、どことなく優しさや柔らかさのような空気が漂うお寺です。

北鎌倉・東慶寺の階段

茅葺きの山門へ続く階段脇のヒメアジサイは色づき始めてましたが、まだまだこれからといった趣きです。

北鎌倉・東慶寺の本堂北鎌倉・東慶寺の紫陽花

ご本尊の釈迦如来坐像が祀られる本堂「泰平殿」に続く石畳脇に咲く紫陽花。緑が目立ちますが、儚げな色合いが気分を和ませてくれます。

北鎌倉・東慶寺の花菖蒲

東慶寺は「花のお寺」とも呼ばれており、この時期、花菖蒲が見頃を迎えていました。紫陽花との競演も見どころのひとつです。こじんまりとしたお寺ですが、彫刻や絵画などたくさんの文化財を要し、座禅会や体験教室なども開催されていて、紫陽花シーズンのみならず足を運びたくなるお寺です。

北鎌倉・東慶寺の山門に向かう途中の紫陽花
北鎌倉・東慶寺の山門

こちらの写真は、6月6日、雨の中撮影しました。山門に向かって右側、5月30日にはほとんど咲いていなかったガクアジサイが開花していました。この時期、開花がどんどん進んでいるようです。

御菓子司こまき、季節限定あじさいの上生菓子にうっとり

13:30 御菓子司こまき

東慶寺を出て、駅前の老舗和菓子店で休憩しましょう。御菓子司こまきは昭和23年(1948年)創業の和菓子店です。季節ごとの上生菓子が提供されるということで楽しみにしていたところ、芸術品ともいうべき紫陽花の上生菓子に見とれてしまいました。

北鎌倉・御菓子司こまきの紫陽花和菓子

白あんを紫色の寒天が覆い、とても上品な味に仕上がっています。キラキラした出来映えに職人技が光ります。桜の葉に置かれていますが、完璧、紫陽花です。抹茶とのセットで983円。ぜひご賞味ください。抹茶は宇治の近く、京田辺市から適量を少しずつ取り寄せた茶葉を使っていて、まろやかな風味が堪りません。提供される上生菓子は季節により替わりますが、6月いっぱいはあじさいを楽しめます。月によっては2〜3サイクル入れ替わることもあるそうですが、7月になると水羊羹に替わります。老舗のお店だけあって、近くのお寺の茶寮や茶道教室などからの要望も多く、当日は東慶寺にも納められたそうです。上生菓子以外にも、あんみつやところてんも人気があります。

北鎌倉・御菓子司こまきのテーブル席

4人掛けのテーブルが4つだけのこじんまりとした店内ですが、鎌倉の風情が感じられる落ち着いた雰囲気の中、心静かに寛ぐことができます。窓の外には、花菖蒲が咲く円覚寺の白鷺池が見え、一幅の絵のような景色も楽しめました。上生菓子はテイクアウトも可能ですが、前日までの予約が必要です。また、商品は売り切れ次第終了となりますのでご注意ください。

北鎌倉・御菓子司こまきの掛け軸

北鎌倉・御菓子司こまきのエントランス
北鎌倉・御菓子司こまきの和菓子メニュー北鎌倉・御菓子司こまきの紫陽花和菓子


オープン間もない『Chocolaterie CALVA』で和テイストのショコラを

14:30 Chocolaterie CALVA

紫陽花散歩の仕上げに、北鎌倉のおすすめ土産をご紹介。昨年12月にオープンしたばかりの『Chocolaterie CALVA(ショコラトリー カルヴァ)北鎌倉 門前』です。このお店は、大船駅近く、スイーツやパンが人気の「ブーランジュリー パティスリー CALVA」オーナーシェフの田中二朗さんによるもので、地元・鎌倉にこだわり、念願のオープンを果たした思い入れのあるショコラ専門店です。田中二朗さんは、パティシエ、ショコラティエとして国際コンクールで受賞経験を持つ気鋭のシェフ。期待が高まります。

Chocolaterie CALVA(カルヴァ)のエントランス

古都・鎌倉の風情に溶け込んだ店構え、北鎌倉・門前をあしらった暖簾とショコラ専門店というギャップがセンスを感じさせます。

Chocolaterie CALVA(カルヴァ)の店内

木の温もりが感じられる店内、広々としたショーケースには、30種以上のボンボンショコラがずらりと並びます。ミント、レモングラスやライチ、金柑など果実のフレーバーに加え、黒糖や抹茶、山椒、ほうじ茶など和のテイストを加えたオリジナリティ溢れるラインナップです。

Chocolaterie CALVA(カルヴァ)のボンボンショコラ
Chocolaterie CALVA(カルヴァ)の羊羹ショコラ

和・洋の代表スイーツ同士による組み合わせ、「羊羹ショコラ」です。羊羹は小豆の素材を活かし、口溶けの良い味わいで甘さは控えめ、ガナッシュは乳脂肪を使用せず水だけで仕上げることで和のテイストが際だった効果を生んでいます。

金の刻印が入った木箱、お持たせにも喜ばれそうです。ボンボンショコラは1個から購入できますが、木箱入りは、3個から、6個、10個、15個、30個入りがあり、フレーバーはお好みで選べます。ボンボンショコラは1個270円、羊羹ショコラは2,376円となります。

北鎌倉には、紹介したお寺以外にも円覚寺、浄智寺、長寿寺など、あじさいスポットとして人気のお寺が点在しています。こちらにも足を運んでみてはいかがでしょう?また、体力に自信のある方は長谷寺方面へ交通機関を利用して移動し、あじさい三昧の一日弾丸ツアーに挑戦してみても良いかもしれません。

今回ご紹介するのは、実際に歩いて楽しんできた長谷駅から極楽寺までの一駅間で巡るお手軽なコースです。これからの時期は、大混雑となるお昼前後よりも前に入場規制のかかる長谷寺を見終えるのがポイントです!

ライター

ライター:OH_MOLETSU
航空・旅行業界関連メディアで海外取材を数多く経験。アメリカ、カナダ、メキシコ、ドイツ、スイス、オーストラリア、タイ、ベトナム、インドネシア・・・非日常の空気を肌で感じつつ、様々な食や現地の人たちと触れあう旅に刺激を受ける。湘南に住む現在、愛犬の豆柴ちゃんと遊んだり、茅ヶ崎から稲村ヶ崎の海沿いをジョギングする日常を楽しむ。

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