鵠沼海岸『Ken歯科』。子どもの口は健やかな成長のスタート地点です

小田急江ノ島電鉄線「鵠沼海岸駅」下車徒歩1分。駅の改札から商店街に入ってすぐ、おしゃれで明るい外観の『Ken歯科』があります。

鵠沼海岸の歯科『Ken歯科』の外観

実は、昔に比べて子どものむし歯が減っていることをご存じですか?仕上げ磨きや定期健診、フッ素塗布などのむし歯予防が定着してきた喜ばしい結果です。でも反対に、歯並びやかみ合わせなどむし歯以外の口の問題を抱えている子どもが、とても増えているといいます。

口の発達は、体全体を健やかな成長へと導く大切なスタート地点。そんな気になるお話を、乳幼児の口の発達指導に力を入れている『Ken歯科』で伺ってきました。

6カ月の赤ちゃんから101歳まで。長くお付き合いできる頼れる歯科医院

ベビーカーのままでも入りやすい、通りに面した玄関扉を開けると開放感のある院内。緊張を和らげる暖色照明の中、心地良いBGMが優しく流れます。

鵠沼海岸の歯科『Ken歯科』の院内

座り心地を重視したソファが置かれた待合室で、歯科医院であることを忘れてゆったりくつろいでしまいそう。

Ken歯科のキッズスペース

現在は感染症対策のため数を減らしてはいるものの、誤飲誤嚥の心配がないおもちゃをセレクトした、安全と衛生面に配慮したキッズスペースもあります。通りがかりの子どもも窓の外からつい覗き込んでしまうのだとか。

『Ken歯科』の院長と歯科衛生士

「うちは小児専門の歯科医院ではないですが、乳幼児のお子さんもたくさん通院してくださっているし、上は101歳の元気なおじいちゃんも電車で通ってくださっています」と、今回お話を伺った中村 健院長先生と歯科衛生士の太田洋子さん。
優しく、そして明るい笑顔でお話いただいた中村院長先生。ママや子どもたちからも「健先生」と親しみを込めて呼ばれているそうです。

2018年に新しく病名がついた、子どもの「口腔機能発達不全症」

「現在、子どもたちの気になる症状はむし歯以外のこと、歯並びやかみ合わせなど、さまざまな口のトラブルです。幼稚園児で75%の子どもが、何らかの口の機能の問題があるという数値があるほどです」

国はそのような状況を受け、口の機能が十分に発達していないことで「食べる」「話す」「呼吸する」といった口を使った一連の動作に支障をきたす状態に「口腔機能発達不全症」という病名をつけました。2018年、最近のことだそうです。

「目で見てよく分かる症状は、いわゆる『お口ぽかん』=口呼吸をしていることです。
本来、人間は口を閉じて鼻で呼吸するのが正しい呼吸法。ウィルスだって鼻から入ったほうが鼻腔の構造や鼻毛でブロックしやすい。でも口から入ったウィルスは、ダイレクトに肺に落ちていき感染しやすくなります。口を閉じて呼吸することが、自然のマスクの役割にもなるのです」

歯科に通う乳幼児

小さな子どもはマスクができないこともあるので、せめてお口をとじてくれるだけでも安心感が増しますよね。
そしてさらに、口の機能が正しく発達しないことが、様々な体の機能に悪影響を与えてしまうそうなのです。

「口腔機能発達不全症」の代表的な症状

「口腔機能発達不全症」の代表的な症状

「口のまわりにはたくさんの神経が通っています。あごや歯を使って口まわりの筋肉をしっかり刺激すると、神経を辿ってその刺激が脳に伝わります。そして脳から全身に刺激が巡り、体全体を健全な発達へと導いていきます。そこが十分でないと、体の見た目は大きくなっていても、正しい機能が備わっていないことになってしまうのです」と健先生。

例えば、口を閉じないで噛む『クチャクチャ食べ』、ろうそくの炎に息を吹きかけるときに口がすぼめられずに『はーっ』となってしまう、ガムが噛めない小学生も多くいるそうです。

離乳食と幼児食を通して、しっかり噛める口まわりを育てよう

では、子どもの口の機能を正しく発達させるためには、どうしたらよいのでしょう?

「そもそも口は、『舌』『唇』『頬』の3つが正しく機能することが重要。それは、授乳期・離乳食期・幼児食期に自ら身に付けていく機能。だから、発達に合わせた食べ方・食べさせ方がとても大切です」

『Ken歯科』では、治療や検診とは別に「3歳までのお口育て教室」を随時開催しています。歯の本数など子どもの発達段階に応じて、歯科衛生士・保育士・管理栄養士の3名のスタッフが、実際の食べ方・食べさせ方を中心に指導してくれます。

3歳までのお口育て教室

「あごの成長のためには前歯を使って食べ物をかじり取ること、そして奥歯も生えてきたらよく噛むこと。そのように歯をしっかり動かして、あごに刺激を与えることが重要です」
あごに刺激を与えるためには、やわらかいものではなく噛み応えのあるもの、ある程度噛まないと飲み込めない大きさのものを与えてほしいと健先生は言います。

とはいえ、その基準は発達によってかなり個人差が。教室ではそれぞれ普段の食事を持参して実際の食べさせ方を見てもらい、その子にあった適切な食べさせ方や調理方法を教えてもらえるそうです。

食が進まなかった子が受講後よく食べるようになって、それまで悩んでいたママが喜んでくれることもよくあるそう。『食べたくない』ではなく、『食べにくかった』だけだったのですね。

離乳食のスプーンでのあげ方ひとつにしても、ついママが手を出し過ぎてしまって、自分で上唇を使って口に取り込む動作が身についていないこともあるのだとか。

離乳食の食べさせ方

「成長に合った適切な食べさせ方は、お互い直接見ないと何が良くて何が間違えているのか分かりません。でも、実際のやり方を理解してもらえれば子どもも親もぐんとラクに、さらに正しい方向に成長できるのです」と、教室を担当する歯科衛生士の太田さん。
ほかにも、保育士からは口を使う親子遊び、管理栄養士からは発達に応じた食材や調理法なども学ぶことができるそうです。

現在ではオンライン会議システム「ZOOM」を使って、来院しなくても自宅と医院をつなげて教室を受講可能。ほかにも、受講後に自宅での食事風景を撮影した動画や質問をLINEで送ればアドバイスをもらえるなど、きめ細やかなフォロー体制で、その子に応じた口の発達をサポートしてもらえます。

歯科医院は、子どもの健やかな発達のひとつの手段と考えて

「口呼吸や歯並び、かみ合わせにしても、起きてしまってから修正・治療することは大変だし、ストレスも大きくなります。問題や習慣になってしまう前にアプローチすることで、回避できることがたくさんあります」

「治療」より「予防」のほうが子どももママもラクだし、早い段階から適切なアドバイスをもらえることは心強いですよね。

「歯科医院は生活の一部として、一緒に成長していくための場所と思ってもらえれば僕たちも嬉しいです。歯が生えてきたら、いつでも相談できる歯科医院を見つけておくといいですよ」

鵠沼海岸『Ken歯科』のスタッフ

2020年9月、『Ken歯科』16周年のときの集合写真

お話を伺った健先生と歯科衛生士の太田さんを始め、スタッフの皆さんとても明るくて、取材時に来院してきた子どもにも優しく楽しく対応されていたのが印象的でした。
特別な症状がなくても、まずは検診から通ってみても。歯科衛生士の方が、虫歯予防や口腔ケアについて詳しく教えてくださるそう。子どもの口の状態について、さまざまなアドバイス、普段の生活に取り入れられるヒントがもらえますよ。

ライター
ライター:jpbanana
家族は夫・息子・犬一匹。東京→逗子生活も10年以上経過。海で泳ぎ、川で魚を探し、緑の中で虫採り。これからも子どもと一緒に楽しい発見をして、たくさんのママとシェアできたら嬉しいな。

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