鎌倉『かも皮ふ科』で、子どもの肌トラブルをしっかり予防しよう!

JR鎌倉駅東口より徒歩10分。鶴岡八幡宮に向かう若宮大路の東側に並行する辻説法通り沿いに、『かも皮ふ科』という皮膚科があります。

鎌倉の皮膚科『かも皮ふ科』の外観

建物壁面にある、カモの家族のかわいらしいロゴマークが目印です。

鎌倉の皮膚科『かも皮ふ科』のロゴ

小児皮膚やアレルギーの診療にも力を入れている『かも皮ふ科』。院長の加茂理英先生の細やかで丁寧な診察が人気で、遠方から通院する親子も多いそう。

今回は院長先生に、子どもの肌の保湿の重要性や病院独自のキッズプログラム、また日常生活で気をつけたいことについて伺いました。
とくに乾燥しがちな冬はもちろん、夏でも。いかに日ごろのスキンケアが、肌トラブルの予防のために大切かが分かります。
子どもの健康で丈夫な肌のために、ぜひ参考にしてください!

ベビーカーでも安心。子連れに優しい院内設備

2018年4月に開業した『かも皮ふ科』院長の加茂理英先生は、2人のお子さんのお母さんでもあります。開業時、なんとお子さんは2歳と10カ月!

鎌倉の皮膚科『かも皮ふ科』の女性院長

院長の加茂先生。額の刺繍は患者さんからのプレゼント

ご自身も小さい子どもの母親だからこそ「親御さんの不安な気持ち、とてもよくわかります」と、親子に優しく寄り添ってくれる診察も人気のひとつです。

鎌倉の皮膚科『かも皮ふ科』の診察室

院内は、入口のスロープから待合室・診察室まで、床にすべて段差がないバリアフリー設計。ベビーカーでも子どもを降ろすことなく診察室まで行けるのは、親にとっては嬉しいポイントです。

鎌倉の皮膚科『かも皮ふ科』の待合室

木の温もりが感じられる、温かい雰囲気の待合室。奥にある木のオブジェは絵本棚で、葉山の家具屋さんに特別に作ってもらったのだとか。
現在は感染症拡大防止のため絵本やおもちゃの設置は控えていますが、落ち着いたらキッズスペースとして復活させたいそうです。

鎌倉の皮膚科『かも皮ふ科』のトイレとおむつ交換台

ベビーカーや車椅子ごと入れるトイレには、おむつ交換台もあります。子どもを寝かせておむつ交換しやすい縦型に開く仕様は、加茂先生のこだわり。院内随所に母親目線のポイントが光ります。

子どもの肌トラブル治療と予防に大切な、保湿と薬の塗り方

湿疹やアトピー性皮膚炎、あせもなどの痒みを伴う子どもの皮膚トラブル。その多くは、皮膚の状態が原因でもあるとご存じでしたか?
肌トラブルがなく正常な皮膚は、例えるなら網の目が細かく詰まって隙間がない状態。反対にアトピーや強い乾燥肌の子の皮膚は、網の目が粗く隙間がたくさんある状態です。

正常な皮膚とアトピー性皮膚炎や乾燥肌の皮膚

その隙間から、乾燥する冬は皮膚に必要な水分がどんどん蒸発し、さらに網の目が粗くなって炎症を起こして痒くなります。また、夏は自分の汗が隙間に入り込み、刺激を与えることによりあせもなどの炎症を起こします。

そんな隙間ができて網の目が粗くなった皮膚の繊維を整えてあげるのが、保湿によるスキンケア。実際、小さいうちから保湿をしっかり行うことで、遺伝によるアトピー素因を持っている子でも発症しなかったという海外の実証データもあるのだそうです。

保湿ケアをする赤ちゃん

「そして一番大切なことは、処方された薬を塗る回数や一回の量、正しい塗り方です。
保湿にしても治療薬にしても、そこをしっかり押さえた塗り方をしないと良くなるものも良くなりません。なので、どの診察でも症状に合わせた実際の塗り方まで私が指導します」と加茂先生は話します。

子ども向けの肌トラブル予防プログラム「かもキッズ」

『かも皮ふ科』には、「かもキッズ」という皮膚の状態に心配がある子ども向けの、独自プログラムがあります。

手足の保湿ケア

「かもキッズ」は0歳から始められる肌トラブル予防プログラムで、最終的には子どもが自分で日々の外用薬を塗れるようになることを目的としています。

具体的には、専用の問診シートや診察記録をバインダーで溜めていきます。また、自宅で本人が自分で薬を塗れた日には塗り絵を塗り、その塗り絵がゴールをしたらご褒美ももらえる仕組み。

「その記録を定期診察で褒めたり、親御さんに教えたことを私が記入したり。親御さんが日々の中で疑問に思ったことを書き留めておく項目もあります。
続けることで段々良くなっていくことが形として目に見えて、気がつくと、当たり前のこととして自分で外用薬を続けられるようになっています」と加茂先生。

肌トラブル予防プログラム

大きくなると、親のコーナーに自分で記入してくる子も

「以前の大学病院勤務で、アトピーの子をたくさん診てきました。その経験からも、いかに楽しく、モチベーションを保ちながら治療を継続できるようになってくれたらと考案しました」
状態が安定していくと、薬はほとんど使わずに保湿薬だけで良い状態を継続できるようになる患者さんは大人も子どももたくさんいるそう。

アトピーや湿疹などの症状はなくても、乾燥が気になるなどで始める親子もいるそうなので、気になる方は相談してみてくださいね。

日常生活でできるスキンケアや注意したいこと

ここで、日々の生活のなかで子どもの肌にとって「しておくといいこと」「注意しておきたいこと」など、加茂先生からのアドバイスを項目ごとに紹介します。
もちろん大人にとっても有効なので、ぜひ参考にしてください。

マスクと消毒

コロナ禍での日常生活の大きな変化が、マスクと手指の消毒。その2つに伴う肌トラブルは、子どもでもとても多いそう。

マスクと手指の消毒

マスクによる皮膚トラブルは、マスクが肌に触れている部分が会話などの顔の動きでこすれることが主な原因。
「顔は、体の中でもとくに皮膚が薄くてデリケート。ここでできることも、やはり保湿。皮膚を保湿によって潤わせ、肌との摩擦をなるべく軽減すること」と加茂先生。

また、先に述べたように皮膚の目が粗い状態だと、手指のアルコール消毒も汗と同じく刺激物となることも。「消毒するのと同じぐらい、保湿剤や乳幼児も使えるハンドクリームなどで保湿を行う」ことを心がけてほしいと先生は言います。

日焼け止め

オゾン層の破壊で、昔より増えている地上に降り注ぐ紫外線量。
紫外線は日焼けのみならず肌荒れやシミの原因、また長年浴び続けると皮膚ガンの原因のひとつにもなります。

日焼け止めを塗って紫外線対策

せめて常に肌が露出される顔だけは、冬でも日焼け止めを塗ってほしいと加茂先生。難しい場合は、紫外線量が増える5~10月はしっかりと日焼け止めで対策を。
また、SPF値やPA値が高いものは肌に負担が大きいと誤解されがちですが、この数値は紫外線の防御効果の高さを示す値。なるべく数値が大きくてより効果が高いもの、ウォータープルーフだけれどせっけんでしっかり落ちるものを選ぶようにしましょう。

お風呂での体洗い

お風呂で体を洗うときは、ボディソープやせっけんをよく泡立て、手で優しく洗うようにしましょう。
タオルやスポンジでごしごし洗うとデリケートな肌は傷つき、皮膚に必要な脂分も落ちてしまいます。

赤ちゃんの沐浴

とくに子どもの肌はデリケートで、まるで卵のようなもの。強く取り扱うと割れてしまうイメージで、優しく洗ってあげてください。

足の親指の爪の切り方

子どもでも意外と多いのが、足の親指の「巻き爪」。

足の親指の「巻き爪」

巻き爪の大きな原因は爪の切り方。
体重が乗る足の親指は、爪を切りすぎると角が皮膚の中に食い込むように、湾曲しながら伸びていきます。これが巻き爪です。
親指の爪は、角の位置が指の先端より下がらないようにスクエアカットしましょう。

忘れないでほしい、ママ自身のスキンケア

小さい子どもの育児や家事で忙しいママは、つい自分のスキンケアを後回しにしがち。
でも、多くの女性が気にする顔のシワ。シワは毎日のケアの積み重ねで、5年後、10年後の結果が変わってくるそう。

ママのスキンケア

「入浴後に時間がないとき、体は寝る前などにゆっくりケアでも。ただ、デリケートな肌の顔だけは、洗顔や入浴後に化粧水や乳液でスキンケアしてほしい。最小限の保湿だけでも、ちょっと量を多めに塗るだけでも。それだけで、将来のシワの出来方が変わってきますよ」と加茂先生。

ママの手にはハンドクリームを

また、ママは家事や育児で手を酷使します。先に述べた手指の消毒と同じく「手を洗ったら塗る」を目標にハンドクリームを塗っておきたいもの。
とくに、親指・人差し指・中指のよく使う3本は、乾燥する冬は指先が割れてしまいがち。とくに念入りに塗り込んでおきましょう。

「手荒れには『ヒルドイド』の、冬はちょっと固めのクリームタイプを、夏はさらっとした塗り心地のローションタイプと、季節によって処方を変えています。
また、手をよく洗う場所にふたを開けて置いておいてもOKだよと患者さんに話すこともあります。そうしたら、手洗いのあとにさっと塗れる。そうやって、『塗ること』を『面倒ではないこと』にするのも重要です」

ママもぜひ、自分のスキンケアをしてあげてくださいね。

皮膚のあれこれ。どんなに些細なことでも気軽に受診を

「ここ鎌倉に開業してもうすぐ4年が経ちますが、優しい患者さんばかりで、ここで開業して本当に良かったと思っています。私の声が枯れていたりすると、患者さんに心配され、『先生、お大事に!』と言われることも」と、加茂先生は笑いながら話します。

患者さんからの刺繍プレゼント

先生の机の横にも、患者さんからの刺繍プレゼントが

「『もしかして、この子はアトピーでは?』と飛び込んできた親子が、正しい保湿と治療でどんどん良くなり、ママの不安が安心に変わる姿などを見ると、私もとても嬉しく思います。
医療として提供できること、アドバイスできることを日々勉強し、これからも皆さんに還元していきたい」と微笑みます。

大きな肌トラブルを防ぎ、子どもの健康な皮膚の状態を保つためには継続した保湿や薬の塗り方がとても大切。その日々続けるヒントや工夫が、『かも皮ふ科』にはたくさんあります。
どんなに些細なことでも、気になることがあれば気軽に受診を。明るくて優しい加茂先生と楽しくお話しながらも、適切なアドバイスがもらえますよ。

ライター
ライター:jpbanana
家族は夫・息子・犬一匹。東京→逗子生活も10年以上経過。海で泳ぎ、川で魚を探し、緑の中で虫採り。これからも子どもと一緒に楽しい発見をして、たくさんのママとシェアできたら嬉しいな。
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