この記事は最終更新日から1年以上が経過しています。最新の情報はお問い合わせください。
国道134号線を三浦方面へ。横須賀エリアに入ると左手にはハイキングコースで人気の大楠山。その山のふもとに、子どもにとってワンダーランドのような空間が広がる農家レストラン『SYOKU-YABO(ショクヤボ)農園』があります。
始まりは、日本の豊かな食文化や伝統調味料との出合い
「全国各地を旅して回る中で、その土地独自の豊かな食文化、各地の伝統的な調味料に出合い、体が震えるほどの感動を覚えました」と語るのは、『SYOKU-YABO(ショクヤボ)農園』眞中さん。
時は2000年初めごろ、有機JASマーク表示が始まり、無農薬野菜など有機農産物への興味が高まり始めたころでした。
こういったものをもっと広げるべきではないか、広げるにはどうしたらよいのか。
たどり着いた答えは「実際に食べてもらうこと。しかも、子どもが思い切り遊べるような空間で、大人も心と体を解放した状態で」という想いでした。
眞中さんは縁もゆかりもなかったこの場所に巡り合い、手つかずのジャングルだったような土地を仲間たちと開墾し、畑で無農薬無化学肥料の野菜を育て、厨房などの設備も1年半の歳月をかけてこつこつと作り上げていきました。
満を持して2010年10月に『SYOKU-YABO農園』をオープンし、現在に至ります。
廃材や山の中のもので作った温もり溢れる『自然空間』
農園内は、ほぼ自然のままの姿。
春にはたくさんの花が咲き、夏にかけて虫が一斉に動き出し、秋になると涼しい風が吹き抜け、山の空気がピンと張りつめる冬。
四季折々の表情を見せてくれる農園内では、子どもたちが歓声を上げながら駆け回り、親はそんな子どもの姿を見守りながら気持ち良い青空の下、各自好きな場所で美味しい空気と食事を楽しむことができます。
無農薬野菜×伝統調味料。自然の中でいただく滋味深い料理の数々
『SYOKU-YABO農園』の料理に使用している野菜は、農園が所有する5つの畑で自家栽培した無農薬無化学肥料野菜のみ。旬の野菜を、日本各地の伝統的な調味料でシンプルに調理し、素材本来の美味しさを味わわせてくれます。
この日は、メインのおかずが「豚肉と大根葉、古漬け大根の魚醤炒め」、野菜小鉢が「人参と佐島じゃこのきんぴら」「ビーツの葉の魚醤麹炒め」「ヤーコンのアーモンドソースがけ」、漬物が「紅甘味大根の酢味噌あえ」。お米は長野県の特別栽培米、長崎麦味噌を使った大根の味噌汁。
野菜が持つ奥深い滋味と、今までに味わったことのない調味料の味付けに驚きます。ゆっくり丁寧に噛みしめて味わうことで、体中に染みわたっていくような感覚にすらなりました。
「僕らが提供している料理は、食べたことがありそうでないもの。口に運んだ瞬間、『なんだ、これは!?』と思ってもらえると嬉しい。興味を持っていただけたら、使っている調味料の原材料から生産方法、調理例、なんでもお伝えします」
こちらのお店には、野菜たっぷりの「子ども飯」(660円)も。メニューは日によって変わるそうなので、スタッフの方に聞いてみてくださいね。
また、「農園野菜定食」には+440円で甘味&ドリンクセットにできます。
本日の甘味「抹茶の豆乳寒天あんこソースのせ」に、「瀬戸谷もみじ(静岡県産)」をつけて。優しい甘みの寒天と渋みの少ない国産紅茶、ほとんど息子に食べられました……(涙)。
新型コロナウィルス一斉休校からの「農園開放&農園給食」
2020年3月。新型コロナウィルス感染拡大防止のため、小中学校一斉休校となりました。この突然の報道が流れてから、「子どもの居場所はどうなるのだろう?」「給食がなくなり子どもの昼食は?」と真っ先に感じ、『SYOKU-YABO農園』として出来ることはないかと模索した眞中さん。
そこで、暗くなるまで農園を開放して子どもの居場所に、また子どもたちにカレーを無料で提供する農園給食を始めました。ところが、農園では玉ねぎ、じゃがいも、ニンジンなどの野菜が採れない時期。SNSで呼びかけたところ、たくさんの食材の寄付がすぐに集まったそうです。
農園内で遊び疲れてお腹ぺこぺこの子どもたち。カレーを口にした瞬間、「おいしい!」の声があちこちから聞こえてきました。
ボランティアによる無料の工作ワークショップやライブ、子ども物々交換のイベントなども開催。
農園内はたくさんの愛と笑顔に包まれていて、不安な気持ちもリフレッシュ!
※緊急事態宣言発令前に取材した内容、写真
尚、『SYOKU-YABO農園』の農園開放&ワークショップは緊急事態宣言以降終了し、現在は15時までの通常ランチ営業になっています。
また、農園給食のカレーは、横須賀市の小学校給食再開予定の2020年6月19日(金)まで提供予定だそうです。
山のふもとで、想いを料理に変えて広げたい「食の野望」
「僕は、ただの郷土調味料マニアなんです」と笑う眞中さん。
「僕の夢は、スーパーに当たり前のように郷土調味料が並ぶこと。それは日本の豊かな食文化を反映していることだと思うんです。そして、無添加無農薬の食事の素晴らしさに一人でも多く気付いてもらえたら。それが僕の野望、『食の野望=SYOKU-YABO』です」
地元小学校の授業で子どもたちが取材にくるなど地域に開かれた場所でありながら、都内など遠方から訪れる常連さんも多いそう。
山のふもとで広大な自然を満喫しながら、滋味深い料理までいただけちゃう。気持ちの良い空間で、親子ともども五感に働きかけられる様々な体験ができますよ。
そして、料理の味付けに心が動いたらぜひ聞いてみてください。郷土調味料オタクの眞中さんが、調味料の魅力をとことなし(雨天天候時は業)
※休業のお知らせ、イベント開催時はイレギュラーなこともあるので、Facebookをご確認ください間違いなしです!
SYOKU-YABO農園
住所 |
---|
〒240-0104 神奈川県横須賀市芦名2-1700 大楠山登山口入り口 [Googleマップ] |
アクセス |
JR逗子駅、京急逗子・葉山駅、JR横須賀駅より京急バス『大楠芦名口』バス停より徒歩10分 |
電話 |
090-8879-1931 |
営業時間 |
11:30〜15:00(L.O.14:30)※夜の営業は予約制 |
定休日 |
なし(雨天・悪天候時は休業) ※休業のお知らせ、イベント開催時はイレギュラーなこともあるので、Facebookをご確認ください |
WEBサイト |
http://syoku-yabo.com/ |
SNS |
facebook Instagram |
家族は夫・息子・犬一匹。東京→逗子生活も10年以上経過。海で泳ぎ、川で魚を探し、緑の中で虫採り。これからも子どもと一緒に楽しい発見をして、たくさんのママとシェアできたら嬉しいな。