葉山の学童『TIDE POOL(タイドプール)』で、自然の中で生き抜く力を育もう

美しい海と山々に囲まれた葉山エリアで、自然に向き合い、自然とともに生き抜く力を養っていく。
湘南を中心に幅広いエリアから子どもたちが通う『TIDE POOL(タイドプール)』では、今日も子どもたちがそれぞれの目標に挑戦しています。

葉山の学童「タイドプール」で海で遊ぶ子どもたち

屋内で過ごすだけではない、積極的に自然と触れ合う時間を子どもたちに提供すべく発足した、新しい形の学童『TIDE POOL(タイドプール)』。
葉山の自然を遊び尽くすことで、子どもたちにとってかけがえのない思い出になると同時に、社会を生き抜く力を養うためのコースに込められた想いを取材しました。


自然と向き合う子どもたちが集う『TIDE POOL(タイドプール)』

「葉山にはこんなに美しい自然があるのに、放課後に屋内だけで過ごす学童ではもったいない」と話すのは、『タイドプール』代表の今村直樹さん。
遊び盛りの子どもたちに葉山の自然を通して健やかに育って欲しいという願いから、新しい形の学童として『タイドプール』は生まれました。

学童の子どもたちとタイドプール代表の今村さん

子どもたちとじっくり話す、代表の今村直樹さん

小学1〜3年生を中心に、小学6年生までの幅広い学年の子どもたちが、放課後~18:00(延長最大20:00まで)の間過ごしています。
鎌倉から横須賀までの幅広いエリアから通っており、小学校から『タイドプール』への送迎も行われています。
放課後から活動が始まる時間まで、早めに来た子どもたちは宿題をしたり、それぞれ自由に遊んだり。まるでおばあちゃんの家に遊びにきたような雰囲気です。

また『タイドプール』の施設以外にも、近くの山の「星山」と呼ばれる広大なエリアも管理していて、その山で活動することもしばしば。
海に山に、葉山の様々な自然を存分に活かした時間を過ごしています。

エネルギーの源となる、『TIDE POOL(タイドプール)』のおやつ

『タイドプール』では午後4時になると手作りのおやつが出るのですが、このおやつがすごい!
おやつと聞いてマフィンやクッキーかと思いきや、ホットドッグやオムライスなど驚きのボリューム。

タイドプールの手作りおやつパン

アレルギーの子にも配慮されている安全な手作りおやつで、葉山のひじきやわかめ、じゃがいもなど地産地消にも力を入れているのだとか。

タイドプールの手作りおやつ飯

施設長の下地 愛さんに、なぜこんなにおやつに力を入れているのか聞いてみました。
「運動が多いので、しっかりエネルギー補給するためのおやつを出しています。もちろん夕飯もそれぞれの家でちゃんと食べられるように量は調整していて、おかわりの回数も決まっています。食べるものがそのまま子どもたちの身体を作るので、手作りにはこだわり、みんなでおやつを食べる団欒の時間も大切にしています」

曜日ごとに異なる、強さと優しさを育む4つのコース

『タイドプール』では曜日ごとに異なるテーマの、4つのコース「かたち」「じぶん」「せかい」「しぜん」を展開。子どもたちは放課後それぞれのクラスで、学校では触れることのできない自然を通した学びを深めています。

月曜日は想像したものを創り出す、かたちコース

かたちコースでは、子どもたち一人一人が頭の中に思い描くもの、そして全員が思い描くものをカタチにしていきます。

タイドプールの放課後クラスで絵を描く子どもたち

最初に発注書という形でお題が出され、プロジェクトを形にしていくために子どもたちはそれぞれ役割分担を実践的に行なっていきます。まるで実際の仕事のように本格的な流れです。

星山の竹を運ぶ子どもたち

例えば、星山で採れる竹を使った「イカダプロジェクト」。
イカダを作るために竹の長さを測る人、材料を切る人など役割分担をしてそれぞれが自分の目的を達成していきます。最後はみんなで一丸となって作ったイカダを実際に海に浮かべるところまで、一つのプロジェクトになっています。

火曜日は自分を深く表現する、じぶんコース

じぶんコースではその名の通り、「自分は何者なのか、人間とは何なのか」などを問い、一人一人がその答えを考えるクラスです。

「じぶんコース」を受講する学童の子どもたち

自分を知っていく過程で、自分の内にあるものを表現するための方法も学んでいきます。

「じぶんコース」で自分を表現する男の子

歌うことや絵を描くことをはじめとした表現力も同時に磨いていくことで、内なる感情や自分自身を人に伝え表現する方法を学びます。

水曜日は今生きている地球や文化を知る、せかいコース

せかいコースでは、自然としての地球だけでなく、世界の文化を理解するための学びの場が用意されています。

森の中で体験する「せかいコース」を受講する子ども

写真は星山の木に粘土をくっつけたり、葉っぱや木の実を使ったりして顔を作る、ある日の活動風景。ベルギー出身の先生の文化を聞いて、森の中で実際に体験しています。

ネパール人経営のレストランでインタビュー体験する子ども

また、葉山でネパール人オーナーが経営するレストランに足を運んでインタビューをするなどといった、コミュニケーション重視の学びも行われています。

木・金曜日は自然と向き合い体力を育む、しぜんコース

しぜんコースでは、基礎体力の向上のために体を使ったアクティビティを行います。
「ただ自然の中で遊ぶだけではなく、自然の中で過ごす時間を通して人間と自然との適切な距離感を身につけて欲しい」と、今村さんは言います。

海でアクティビティをする子ども

「自然と人との間には適切な距離があり、その距離を間違えると怪我をするかもしれない。さらに、最悪の場合は死に至ることもある事実を知ってほしい」という想いから、自然の楽しさや怖さを、子どもたちはコースを通して学んでいきます。

海のアクティビティ「シーカヤック」を体験する子ども

そして、しぜんコースで子どもたちに伝えたいもう一つのメッセージ、それが「自分の身を自分で守る大切さ」です。
『タイドプール』が掲げる「生き抜く力」という言葉。それは、自然の中で死なないように身を守る術という意味だけではなく、子どもたちが社会に出た時に自分の心をストレスや理不尽から守れるような力を養って欲しいという願いが込められているのです。

山の自然を肌で感じる広大なフィールド「星山」

『タイドプール』の拠点とは別に、今村さんたちが管理している「星山」と呼ばれるエリア。葉山・下山口から湘南国際村の山頂へと続く5,000坪の、30年以上手つかずの敷地を自分たちで切り開いて活動できるようにしたフィールドです。
大楠山系の鍾乳洞から湧き出る水が豊かな恵みを与えてくれるこの山は、希少生物の産卵も見られて、多種多様な樹木が生きづくとても貴重な里山です。

葉山にある「星山」のモンゴルゲル

そんな星山の目玉の一つが、森の中に突如現れるモンゴルゲル。

「星山」のモンゴルゲルの室内

中は天井も高くて居心地いい空間で、子どもにとってはまるで秘密基地のよう。
台風シーズンは安全のため解体するそうですが、その解体・再設営の作業は『タイドプール』保護者も協力して行います。

葉山「星山」の広いフィールド

とにかく広い星山のフィールド。日ごろは各コース、プログラム次第で活用するそう。
裸足になって気配を悟られないようにするかくれんぼをしたり、山道を切り開きながら海までアドベンチャーランをしたり。実際、子どもたちが遊びながら踏みならすことによってできた獣道もあるそうですよ。
自然に溶け込んで何を感じるか、山道をどの方向に進むかなど、子どもたちはここでの様々な体験を通して感覚や判断力を養っています。

葉山「星山シアター」で映画鑑賞する親子

また、土日は保護者同伴のイベントも開催。
ここで掘ったタケノコと摘んだ野草を天ぷらにする、ピザ生地に各自好きなトッピングをして味と発想を競う選手権など、大人も一緒に楽しめる魅力的なイベントの数々。
写真は、日没とともに始まる「星山シアター」。木に吊り下げた布地に投影した映画『となりのトトロ』を、皆で森の中で観賞したそう。

葉山「星山」の山頂部にあるミツバチ養蜂場

山頂部にはミツバチの養蜂場も!ハチミツの採取イベントも大盛況だったそうですよ。

生きていく力のベースになる『TIDE POOL(タイドプール)』の体験

子どもたちと日々接している『タイドプール』施設長の下地さんに、日ごろ大切にしていることを聞きました。
「自分の考えを自分の言葉で伝えること、ルール一つでも皆で話し合って共有できるよう意識して接しています。
トラブルになったとき、大人が入るのは簡単です。そうではなく、子どもたち同士で解決できるようになってほしい。ここに通う子たちは自分たちで人間関係、社会を作り始めていく年代。これからの自分で生き抜く力を、ここで育ててもらえたら嬉しいです」

海で遊ぶ、葉山「タイドプール」施設長と子ども

施設長の下地愛さん(左)

「強さと優しさ、そして生き抜く力」を養うためのすべてが、ここ『タイドプール』にはありました。葉山の自然の中で、今日も子どもたちは『タイドプール』と共に成長しています。

葉山「タイドプール」でアートを楽しむ子ども

「体験・見学はいつでも行っているので、お気軽にお問い合わせください」と、下地さん。
学童としての利用ではなく、各コースのプログラムのみの利用もできるそうです。
興味のある方はぜひ一度、葉山の自然の中での活動を体験してみてください!


ライター
ライター:Michel
クリスタルマジシャンMichelとして全国でイベント出演をこなす傍ら、故郷湘南の魅力を発信するライターとしても鎌倉江ノ島を行ったり来たり。自然と天然石とハンモックの上をこよなく愛する、マイペースな湘南ボーイ。
ライター
ライター:jpbanana
家族は夫・息子・犬一匹。東京→逗子生活も10年以上経過。海で泳ぎ、川で魚を探し、緑の中で虫採り。これからも子どもと一緒に楽しい発見をして、たくさんのママとシェアできたら嬉しいな。
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