〈2024.03.22更新〉
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moana People vol.25
湘南で自分らしく輝いている方に、さまざまな活動のお話とご自身が感じる湘南の魅力をお聞きする『moanaPeople』。
第25回目は、漫画家でイラストレーターのとげとげ。さんにインタビュー。
葉山で2人のお子さんを子育てしながら、WEBでの漫画連載を始め、さまざまな媒体でイラストを描かれています。
葉山を舞台にした創作育児漫画『夫ですが会社辞めました』が、2022年9月に単行本で発売されたばかり。その著書も含めた作品や現在までの道のり、子育てのことなどを伺いました。記事内では、とげとげ。さんの作品もたっぷりご紹介しますのでお楽しみに!
また、2022年9月7日にKADOKAWAから発売された『夫ですが会社辞めました』の単行本を3名様にプレゼント!詳細は記事の最後をご覧ください。
とげとげ。
元ナースの漫画家・イラストレーター。埼玉県出身、葉山町在住。2010年生まれの女の子、2013年生まれの男の子と、パパの4人暮らし。
ご自身の育児漫画日記『ママまっしぐら』、創作育児漫画『夫ですが会社辞めました』『「小1の壁」の向こうに』など、育児をテーマにした漫画やイラストを描かれています。
好きなモノは温泉と芋焼酎。
WEBサイト https://ameblo.jp/togetogeillust/
Instagram @togetoge.i
Facebook @togetogegegege
Twitter @togetogegegege
子育て世代におすすめしたい、リアルな育児漫画の数々
ーー漫画家・イラストレーターとして活躍されているとげとげ。さん。これまでの代表的な作品を教えてください
『ママまっしぐら 昨日と同じな毎日の日常4コマ日記』
育児漫画日記『ママまっしぐら』
とげとげ。:自分の日々の育児話を4コマ漫画に綴った『ママまっしぐら』は、育児ブログとして10年前、お姉ちゃんが1才のときから始めました。現在も週2回、毎週月曜日と金曜日のお昼に更新しています。
『夫ですが会社辞めました』
創作育児漫画『夫ですが会社辞めました』
自分の実体験やまわりの声なども参考に、育児に関する創作漫画も描いています。
ひとつは、現在も『レタスクラブWEB』で連載中(毎週金曜に更新・最終週はお休み)、単行本も発売された『夫ですが会社辞めました』です。
ある日突然、会社に行けなくなってしまった夫、働いて家計を支える妻、そしてまだ手のかかる年齢の息子。自然豊かな葉山の町で暮らし始め、一歩一歩前に進んでいく家族の再生の物語です。
『「小1の壁」のむこうに』
創作育児漫画『「小1の壁」のむこうに』
連載は終了していますが、学校生活やPTA、ママ友、仕事とのバランスなど保護者に立ちはだかる「小1の壁」をテーマにした創作漫画『「小1の壁」のむこうに』もあります。
「小1の壁」とは実際はどんなものなのか、どう向き合っていけばよいのか。フルタイム勤務のワーキングマザーの主人公の葛藤を中心に、4つの家族のストーリーを描きました。
ほかにもWEBサイトや雑誌などで、漫画やイラストカットなども描かせてもらっています。
各作品の更新など最新情報は、こちらのサイトでご覧いただけます。
看護師からイラストの世界へ。さらに衝撃の出産体験!
ーープロフィールに“元ナース”とあります。看護師からイラストレーターへと方向転換されたのですか?
とげとげ。:手に職をつけて一人でも生きていけるようにと、高校卒業後に看護学校で資格をとり、看護師として働いていました。
イラストレーターへのきっかけは、看護学生時代の小児科実習で子どものおもちゃを作るという課題で子ども向けの絵本を作ったら、それがとても楽しかったこと。もともと絵を描くことは好きだったのですが、そこから「絵本作家になりたい」と、看護師2年目に働きながらアートスクールに1年程度通いました。
そして「2年で食べられるようにならなかったら看護師に戻ろう!」と決意して、看護師は退職。出版社などにイラストの売り込みを始めました。
それからさまざまな媒体でイラストを描かせてもらい、現在ではオリジナルの創作漫画まで連載させてもらえるようになりました。
ーー2人の出産も経験されていますが、その間も休みなくイラストの仕事を?
とげとげ。:結婚後、上の子を出産したときは保育園激戦区だった川崎市に住んでいたのですが、運良く入園できて。ただ、当時は何となくイラストの仕事も伸び悩みを感じていて…。
そのときに同業の人で子どもがいてもイラストをたくさん描き、個人ブログも毎日更新しているのを見て、「そうか、育児って言い訳にできないんだな」と。そこで私もブログを始めようと思ったのが、現在も続く育児日記『ママまっしぐら』のスタートでした。
ーーそんなご自身の育児日記のエピソードの中でも、2人目出産体験はとくに衝撃的ですね
とげとげ。:はい、まさかの自宅出産です。
早朝の自宅で陣痛が始まり、産院にはもう少し様子を見てと言われたのですが1時間も経たないうちに5分間隔になって…。
そしたら赤ちゃんの頭が3分の1ぐらい出てきちゃって、そのまま出産。へその緒をつけたまま、救急車で産院へ搬送されました。
下の子も私も何事もなく元気だったので結果オーライ、今となってはいい思い出です。
ーーその後、葉山に移住されたそうですね。なぜ葉山を選ばれたのでしょう?
とげとげ。:ずっと川崎に住むつもりはなくて、たまに家族で遊びにきていた葉山で「ここに住んじゃおうか?」と冗談で言ったら夫もその気になって。そのまま不動産屋さんを見て回り、すぐに出会った今の物件に決めてしまいました。私は埼玉、夫は愛媛出身なので、縁もゆかりもない土地です。
私はほぼ自宅で仕事していたのですが、夫は当時都内勤務だったので朝早く出て夜遅くまで帰ってこない生活。育児はほぼワンオペ状態で、保育園に預けてはいましたが〆切前なんかは朝早く起きて仕事するなどしていました。
今は子どもも大きくなって手がかからなくなり、夫もコロナ禍で在宅リモート勤務になったので、だいぶ時間の余裕はできましたね。
モヤモヤの正体や人とのつながりを「見える化」して届けたい
ーー今まで描いてきた中で、とくに印象的だった作品を教えてください
とげとげ。:下の子を出産したあと、一時的に上の子がかわいく思えないという時がありました。「どうしてだろう…」とすごく悩んで自分を責めてしまったりして。そんなとき「上の子かわいくない症候群」について書かれた記事をWEBで読み、それは本能でもあり一時的なもの。自分だけではないと分かり、それまでの気持ちがぐっと軽くなったんです。
どうしても閉塞的になりがちな育児中、「自分だけではない」と思えること。私がWEBの記事に救われたように、私が描く作品の日常や悩みで共感して、ホッとしてもらえたらいいなと思えるようになった出来事でした。
ーーとげとげ。さんが描く漫画は、育児のちょっとした悩みをとても丁寧に掘り下げていますよね
とげとげ。:モヤモヤして不安な気持ちって漠然としていて、問題がはっきりしていないからこそ膨らんでしまうのかなと。そんなモヤモヤの正体は何なのかを深堀りすることを意識しています。ひとつひとつ問題を明確にしていくと対策も立てやすいし、「仕方ない」「まあ、いいか」と流すことができることも。
例えば、『夫ですが会社辞めました』なら、誕生日プレゼントのエピソードがあるのですが。
「欲しいものをあげたいけどおもちゃが増える」「つい実用的なものを」と思ってしまう親の気持ちをあえて深く、何話かに分けて描きました。
誰にでもあるけれど、スルーされがちなモヤモヤを分解してストーリーの中で見える化し、心地よく思える方向に着地させていくようにしています。
ーー『夫ですが~』の単行本のあとがきには、「コロナ禍での暮らしは、いつも以上に空気を読む必要やストレスが増えたように感じました。そんな中で“心地よい人とのつながり”“距離感”について考えるようになりました」とあります
とげとげ。:つながりは生きやすくも生きづらくもさせるもの。だったら辛くないつながりや人との距離感はどんなだろう?と描き始めたのがこのお話です。
合わない環境で傷つき辛い思いをした主人公とその家族が、心地よいと思える家族の暮らし方、人との関係に辿りついていく様子を丁寧に描いています。
また『「小1の壁」のむこうに』も、“子ども用携帯電話を持たせるか” “夏休み中の子どもの居場所探し”など、さまざまなモヤモヤが散りばめられています。これから小学校入学を控えている方、「小1の壁」真っ最中の方に読んでもらいたいし、過ぎた方には振り返ってみて「あるある!」と共感してもらえると嬉しいです。
自然豊かな葉山を満喫しながら仕事と子育てを
ーーさまざまな作品を描かれていますが、日々、ご自宅でお仕事されているのですか?
とげとげ。:葉山にある古民家シェアオフィス「かざはやファクトリー」を借りていて、その日の状況などで自宅と使い分けて仕事しています。
建築家やフォトグラファーなど、さまざまな職種の方が在籍していて。
キャラクター図鑑『カラダから出る「カタチのある」もの』、『カラダから出る「カタチのない」もの』のイラストを担当したのですが、ここで仕事をされているフリーライター永峰英太郎さんからお声がけいただいたご縁です。
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ーー葉山での暮らし、ここでの子育てはいかがですか?
とげとげ。:移住して良かったなと一番思えることは、自然音しかないところにすぐ行けることですね。海や山など自然の景色やそこに流れる音は、疲れているときの体と心をゆっくり内側から癒してくれます。
また、たくさんの生き物や植物を子どもと一緒に見られるのも楽しいです。
ーー普段は、お子さんとどのようなところに遊びに行きますか?
とげとげ。:最近はお友だちと遊びに行っちゃうことも多いですが、小さいころはよく磯遊びに行っていました。一色海岸の「小磯の鼻 [Googleマップ]」は、干潮時にかなり広い磯だまりができるので生き物観察におすすめですよ。
また暖かくなる5月ごろに、葉山公園の東屋で子どもと一緒に夕飯を食べるのも気持ち良くて好きです。
下の子は自然体験教室「オーシャンファミリー」に通っていて、夏は海遊び、冬は山登りなど自然を満喫しています。
お姉ちゃんとは習い事のあとに待ち合わせして、近所のカフェでお茶したりもしています。
ーー2人のお子さんの子育てで、とげとげ。さんが大切にされていることはありますか?
とげとげ。:「子どもが楽しんでいるときに邪魔をしないこと」「自分の意見を押し付けないこと」ですが、実際はなかなか難しいですね…。
何かあるごとに「やっていい?」と私や夫の許可をとってくるのではなく、その都度自分で考えて判断できるようになってほしいです。
ここ葉山で、これからも心地よく思える作品を描いていきたい
ーー今後の夢や展望をお聞かせください
とげとげ。:『夫ですが会社辞めました』の連載は続きますし、これからも次々に漫画を描いていきたいです。一人でも多くの人に届けたいですが、少人数の人にでも刺さる、より深い内容を描いていきたいなと思っています。
また、葉山でも行ったことがない場所もまだたくさんあるので、自然豊かなその風景ももっと描いていきたいです。
ーー読者の方にメッセージをお願いします
とげとげ。:疲れているときや辛いときに、私の漫画を読んでホッとしたり、自分や家族の心地よさを考えたりするきっかけになってくれたら幸いです。
ーー最後に、ママモアナ読者におすすめの作品を選んでいただきました!
「育児タイムマシン!7年前の私に伝えたいことと、未来の私からのメッセージ」
撮影協力
『夫ですが会社辞めました』単行本を3名様にプレゼント!
応募は締め切りました。沢山のご応募ありがとうございました。
2022年9月7日(水)にKADOKAWAから発売された、とげとげ。さんの著書『夫ですが会社辞めました』を3名様にプレゼントします。
後半3分の1はWEB連載にはない単行本用の描き下ろしで、主人公の家族が辿り着いた形が描かれています。とても心が温まるストーリーです。ぜひ、ご応募くださいね♪
応募締め切り:2022年10月16日(日)まで
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家族は夫・息子・犬一匹。東京→逗子生活も10年以上経過。海で泳ぎ、川で魚を探し、緑の中で虫採り。これからも子どもと一緒に楽しい発見をして、たくさんのママとシェアできたら嬉しいな。