インタビュー:ポーセリンアート作家 亀井 有希さん

moana People vol.16
湘南で自分らしく輝いている方に、様々な活動のお話とご自身が感じる湘南の魅力を伺っていく『moanaPeople』。

第16回目は、湘南在住の人気ポーセリンアート作家であり、「湘南ヘルシスタ」のメンバーでもある、亀井 有希さん。芸能活動をなさっていた類まれな経験や、湘南への移住とポーセリンアートとの出会い、子育てで大切にしていることなど、魅力的なお話を色々と伺って参りました。

亀井有希さん

亀井 有希さん
『and Karent(アンドカレント)』名義で、ポーセリンアート(ポーセラーツ)作家、講師として活動。世界中のサンセットや海の色など、自然からイメージを受けた海に溶け込むようなデザインと、色の世界観を感じられるテーブルウェアや雑貨をひとつひとつ心を込めて製作している。小学生の娘さんのお母さまでもある。
Instagram(@and_karent) では、作品情報や素敵なライフスタイルを発信している。

※ポーセリンアート(ポーセラーツ)とは、主に白い磁器に「転写紙」と呼ばれる様々な色や柄が書いてあるシートを貼ったり、絵の具で描いたりして焼き付けることで、オリジナルのテーブルウェアを製作すること。

今につながる様々な経験と経歴

ーー亀井さんはポーセリンアート作家として活動なさっていますが、類まれな経験の持ち主だとお聞きしました。今までの経歴を教えていただけますか?

亀井さん:実は、10代の頃から芸能活動をしていました。お友達と遊ぶのが楽しい時期で、最初はアルバイトのような感覚でやっていたのですが、気づけばデビューさせていただくことになって。20代は、芸能活動であっという間に過ぎて行きました。

芸能活動をしていた頃の亀井さん

ーー芸能活動以外のお仕事に興味を持たれたきっかけは?

亀井さん:このままでいいのかな?と思い始めた30代になった頃、たまたま同じ芸能をしていたお友達が、ベビーシッターの会社を立ち上げることになり、一緒にやらない?とお声がけくださったのです。芸能活動の経験を生かした他にはないサービスを作ろうと、始めました。
一から色んなアイディアを出し合って決めていく、ということが楽しくて。今振り返ると、自分で何かを作り上げて行く、アイディアを出してそれが形になっていく、ということがその頃から好きでした。頭の中でイメージしたものが、少しずつ形になっていく。今のポーセリンアートにも繋がっていると思います。

ーーそのお仕事の後は、どのようなことをなさっていたのですか?

亀井さん:何かを作り上げていく楽しさを覚えたので、次のステップとして自分の「手に職」をつけることができる資格を取りたいと思い、美容関係のスクールに通い始めました。

その頃、主人と出会い、結婚して子どもを授かったのですが、体調の変化などでなかなか思うようにスクールに通えなくなってしまいました。出産後にまた再開しよう!と思っていたのですが、現実はそう簡単にいかなくて。思うように自分の時間が持てなくなってしまい、東京まで通い続けることも困難になってしまいました。

人生を変えた、湘南への移住とポーセリンアートとの出会い

ーー子育ては、最初は東京でなさっていたのですか?湘南に移住なさったきっかけを教えてください。

亀井さん:私は実家も東京ですし東京から出たことが無かったのですが、逆に主人は実家が鎌倉で。娘が生まれて1年半くらいは都内で生活していたのですが、もっと子育てしやすい環境のところはないかな?と、考えていました。

私は子どもの頃から自然が好きで、海の近くに住んでみたいという漠然とした気持ちがありました。主人も海の近くで育ちましたし、子育てするのに自然が豊富で環境のいいところ、と考えたら湘南の地が候補に挙がりました。こちらに友達もいましたし、移住することに全く抵抗も無かったです。

「色」を感じられる、亀井さんの作品

ーーポーセリンアートとの出会いは?

亀井さん:子どもが小さいうちは、なるべくそばにいて子育てしようと決めていました。そうなると、都内に働きに出たり子どもと離れ離れになる仕事は難しい。自宅で子育てをしながらできる仕事は無いかなと考えていた時に、たまたまポーセリンアート教室のポスターを目にして。何か感じるものがあり、色々な教室のホームページを調べました。

亀井さんの作品

実際に体験レッスンを受講してみると、製作の過程がとても楽しかったのと、デザインや技術の奥が深く、ますますポーセリンアートに惹きつけられていきました。体験を受けた日に運命的なものを感じて、インストラクターの資格を取ろう!と、すぐに決めてしまいました。

ーーすごい行動力ですね!それだけ、ポーセリンアートに運命的なものを感じたのですね。では、作家としてはどのように活動を始めたのですか?

亀井さん:ポーセリンアートの資格を取ったものの、まだ具体的なことは決めていなかった時期に、たまたまゆいちゃん(湘南ヘルシスタ発起人・田熊 ゆいさん)に出会い、「一緒に何かやらない?」とお誘いいただいて。彼女の本気と熱意をとても感じで、一緒にやりましょう、となりました。まだ、湘南ヘルシスタも発足していない時期でした。

そこからは、ゆいちゃんが様々なお話を持って来てくださって、道を作ってくださいました。本当にありがたいことで、感謝しています。

材木座テラスでのイベント。海に溶け込むようなテーブルウェアたち。

湘南T-SITEで湘南ヘルシスタ発足と主催イベント告知を兼ねたイベントを行い、その後に材木座テラスで、初めて湘南ヘルシスタ主催のイベントMer Marchéを開催しました。その時にゆいちゃんが「これが有希ちゃんの作家デビューだよ」と言ってくださって。
「ああそうか、これが本格的な始まりなんだ!」と、とても嬉しかったです。

ーー湘南ヘルシスタに加入して、作家としてもデビューを果たした亀井さんですが、今後はどのような活動に力を入れて行きたいのですか?

亀井さん

亀井さん:今は、作家チームと様々なイベントに出店をしたり、雑誌『SHONAN TIME』でヘルシスタの連載ページを持っているので、湘南女性の健康的でしなやかなライフスタイルを発信しています。

今後は、ワークショップや講師としての活動にも力を入れて行きたいです。ワークショップですと、生徒さんと一緒に作業しながらじっくりお話しできることが楽しくて。自分がレッスンに通っていた時、製作の時の集中している時間がとても好きで。大人になると、こんなに集中する時間ってなかなか無いし貴重なことだと思うのです。
また、生徒さん同士が仲良くなって繋がって、輪が広がって行くのを見ているのも嬉しくて。そういうのが、講師の魅力だと思っています。

ワークショップの風景

今まではイベント出店で忙しく講師活動はあまりできなかったのですが、ご要望もいただいていますので、今後は自宅サロンをもう少し広げて行けたらと思っています。大人の方のクラスはもちろんのこと、お子さんも一緒に、親子で受講できるクラスも始めたいと思っています。
『MyBEACH workshop day』というイベントで、子ども向けのワークショップを開催したのですが、ありがたいことにたくさんのお子さんたちに受講していただけて。あの時のお子さんたちのキラキラした笑顔を見て、本当にやって良かったと心から思いました。

『MyBEACH workshop day』でのキッズ向けワークショップ

海は無限大の遊び場…湘南での子育てについて

ーー湘南で、親子で訪れるのにおススメのスポットなどありますか?

亀井さん:一押しは断然、海ですね!湘南に移住してビーチまで10分くらいのところに住んでいますが、娘が遊ぶ場所はやっぱり海です。海に行けば、娘は裸足になってしまうし、時には我慢できなくなって、服のまま海に入ってしまうことも(笑)。湘南では、果てしない広さの砂遊びができます!
夏の海水浴だけでなく、バーベキューをしたりピクニックをしたり、マリンスポーツも楽しめます。家族みんなで思い思いの楽しみ方ができて、遊び方も無限大です。

亀井さん

ーー湘南で、親子で訪れるのにおススメのスポットなどありますか?

亀井さん:自然との距離が近いので、湘南でしかできない子育てができていると思います。私は子どもの頃から自然が好きで、空や夕焼けを見て泣いてしまうような、感受性が強い子どもでした。「ああ、私って今生きてるんだ!目も見えてる!」と、自分は生きているということを、ふと感じて泣いてしまったり。少し個性的な子どもだったのかもしれません。

娘にも、空の色や海の色であったり、自然の中で感じるものを大切にしてもらいたいという思いがあります。お金では決して得られない自然。それを感じて大切にして欲しいです。娘は、私の作品や仕事を間近に見ているからか、ものを作る楽しさを知っているように思います。何か少しでも感じ取って、母親が作家というのが良い影響を与えていればいいなぁと思っています。

ーー子育てのこだわりなどはありますか?

亀井さん:あまり子ども扱いしないことと、愛を伝えてあげることを心がけています。
例えば、娘が幼い頃赤ちゃん言葉で会話することを、私はしないようにしていました。子どもは大人が言葉で伝えたことをちゃんと自分なりに解釈しているそうなので、あえてそういう言葉づかいで接することはしなかったです。

あと、子どもは知りたがりなので、これなに?あれなに?と頻繁に聞いて来ます。難しくて理解できてなくても、きちんと説明してあげるようにしています。それは私が子どもの時に、わからなくても母がちゃんと説明してくれて、自分なりに納得していたから。子ども扱いせず、きちんと話してくれていたのが嬉しかったから、私も同じように接しています。

娘さんとの時間を大切にしている

あとは、ふと思った時に愛情を伝えるようにしています。例えば娘を叱った後に、それでも大好きだからね、と安心できるようフォローしています。どんなに怒っても、根底には愛があるよ、何があっても絶対それは変わらないよ、とちゃんと伝えてあげたい。
子どもの頃大人扱いをされて嬉しかった反面、私の母は言葉でのフォローが少し足りないように感じていた部分もあったので、娘には言葉に出して、きちんと伝えるように気を付けています。

湘南で生み出した世界観を、もっと広げていきたい

ーー今後の展望や将来の夢はありますか?

亀井さん:もともとインテリアが大好きなので、自分の作った食器を取り扱っていて、インテリアなども全てプロデュースした、小さなお店をやってみたいです。湘南で生み出した世界観を、東京や湘南のみならず世界中に発信して行けたらいいな、と思っています。そして、感性をもっと磨いて、日本でなくても、例えば海外にいたとしても仕事ができるような人になりたいと思っています。

ポーセリンアートに出会って自分の「軸」が出来たことによって、どんどん世界広がっていったと思います。そして、湘南に住んだからこそ、スッとポーセリンアートが自分の中に入って来たのだと思います。湘南にいる時と都会にいる時、頭に浮かんでくるデザインが違ってきますし、考え方も違っています。湘南にいると自分が作ってみたいもの、欲しいと思うものを作ろうという思考になります。

亀井さん

そして、子どもの頃から好きだった「自然」を感じるテイストが、湘南に住んで全てすとんとハマった。湘南に住んだことが、人生の中でも一番大きな転機だったと思います。これからも、この地で培った感性や世界観を、テーブルウェアを通じて発信していけたら、と思っています。

亀井 有希さん Instagram(@and_karent)

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ライター

ライター:aya_peco
大学時代から女性誌ライターを始め、様々な雑誌で執筆活動を経験。持ち前の好奇心と行動力で、スタイリングやファッションショーなどにも携わる。その後、アパレルのプレスを経て、結婚を機に大好きな湘南に移住。海と自然と可愛いものをこのよなく愛し、スローライフを満喫する日々を送る。

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