moana People vol.21
湘南で自分らしく輝いている方に、様々な活動のお話とご自身が感じる湘南の魅力を伺っていく『moanaPeople』。
第21回目は、サイショク料理家の中西彩子さん。逗子のご自宅で開催されている料理教室「サイショクの会」やローフードについて。また二児のお母さんでもある彩子さんが、お子さんとの生活の中で、どのようにローフードを取り入れているかをお伺いしていきます。
中西彩子さん
サイショク料理家。日本リビングビューティー協会(J L B A)認定ローフードマイスター。J L B A 本部講師。逗子の自宅にてヴィーガン料理&ローフードのお教室「サイショクの会」を主宰。
菜食料理&ローフードの魅力とは?
ーー菜食料理やローフードに興味を持ったきっかけとは?
中西さん:二人目の子どもを出産した後に、体調を崩してしまったことがきっかけでした。当時の私はまだ会社員で、出産後一年ほどで復職したのですが二人の子どもの世話と家事、仕事をこなすことでいっぱいいっぱいでした。結局はストレスが原因だったのだと思うのですが、病院にかかってもあまり良くならなくて…。
仕方なく、仕事を辞めて自分の生活を変えることに。自分と向き合う時間が増えたときに、ふと「体って食べるもので出来ているんだよな」と思い、「食生活を変えてみたらどうだろう?」と。
そこで元々そんなにお肉が好きではなかったこともあり、ほぼ野菜オンリーの食生活に変えてみたら、驚くほど体調が良くなりました。
「やっぱり食べものって重要だな」と、身をもって実感し、もっと野菜の力を生かした料理のことが知りたくなり、菜食(ベジタリアン)やローフードの勉強を始めました。この生活を始めて2年が経ちますが、あんなに体調が悪かった私が今では風邪も引かなくなりました。
ーー“ローフード”とは、どのようなお料理なのですか?
中西さん:ローフードのローは英語の“RAW”。つまり「生」のままという意味です。果物や野菜を出来るだけ生の状態で頂くお料理で、動物性の物はバターや牛乳などでも一切とりません。全く加熱してはいけない訳でもなく、加熱するならば48度以下ならば大丈夫です。なぜ48度以下かと言うと、野菜や果物が持つ酵素が死なない温度がこの温度と言われているからです。
ーー“ローフード”は体に良いと聞きますが、どの様な理由からなのでしょうか?
中西さん:人間の体内にも元々酵素は存在します。食べたものを消化・吸収・代謝する、呼吸して血圧を調整するなど、人間の体内では常に様々な化学反応が起こっているのですが、この機能をスムーズに進めてくれるのが酵素です。だから元気な酵素が体内に多いほど、細胞が活性化されるので、より元気でいられるそうです。
しかし残念ながら体の中で作られる酵素の数は決まっています。
そこで、野菜や発酵食品を上手に食べて生きた酵素を摂取することで、元々体内に存在していた酵素を助けてくれるそうです。ローフードが体に良いと言われるのは、野菜の酵素やビタミン・ミネラルなどの栄養を生きたままより多く摂取できる食事法だからです。
美容にも効果的で、ローフードを始めてから乾燥肌が改善されました。きっと、野菜の水分とビタミンのお陰かなと思っています。
子どもとの暮らしの中でのローフード活用法
ーーお子さんとの暮らしの中で、どのようにローフードを活用されていますか?
中西さん:子ども達は二人とも未就学児でまだまだ好き嫌いもある年頃なので、すべての野菜をおいしく食べられる訳ではありません。だから我が家では、子ども達の朝食はフルーツを沢山食べさせるようにしています。大人の朝食は野菜とフルーツのスムージー。主人も朝食を変えてから、体調が良くなったと言っています。体重も落ちましたし(笑)。
スムージーは忙しい朝に作るのが大変と思う方も多いかもしれません。私は時間があるときに野菜を切っておいて冷蔵庫に入れおき、翌朝ミキサーにかけていますがそれでも十分新鮮で美味しいです。
また、フルーツをデザートにされている方は是非食べる順番を変えて、フルーツや野菜を食事の最初に食べてみてください。野菜や果物が持っている酵素で自己消化してくれるので、体内の酵素を消化以外の働きに使えます。そのため疲れにくくなったり、食後の眠気がなくなるなど体に負担がかかりにくくなりますよ。
夕飯は野菜中心のお料理ですが、週末にはお魚やお肉も食べています。あまりストイックになり過ぎず、できる範囲でローフードや菜食料理を日々の暮らしに取り入れる方が、子供たちにも無理がないかなと思っています。
ーーご自宅で主宰している料理教室「サイショクの会」は、どのようなお教室ですか?
中西さん:デモンストレーション形式で行うお料理教室です。調理の仕方次第で動物性の食材を使用しなくても、お腹も心も満足できる菜食料理の数々をご紹介しています。
クラスは「お料理の会」と「スイーツの会」を月に一回ずつ開催しています。「お料理の会」では、お酒に会うような野菜のお料理を毎回4、5品、「スイーツの会」ではスイーツを2品ほど作ります。
どの会も最後に参加者みなさんでテーブルを囲みながら、のんびりとランチを楽しんでいます。「スイーツの会」では、事前に用意しておいた私の気まぐれランチもお出ししています。
参加者の方々は、子育てやお仕事など忙しい日々を送られている方ばかりです。だからこの時間は日常から少し離れて、体に負担が掛からない野菜のお料理を食べて、心も体もリフレッシュしてくれたら嬉しいです。
そんな想いから、お酒が飲める方にはお酒もお出ししています。
豊かな暮らしの中で出会った人との繋がりを大切に
ーー中西さんが東京から逗子に移り住んだ理由とは?
中西さん:特に逗子が良かった訳では無いんですよ(笑)。たまたま逗子で今の土地に出会ってしまっただけで。子供が生まれたので家を建てようと夫婦で決めたときに、私は横浜出身なので、最初は横浜辺りで良い土地をと思っていました。でも横浜にはご縁がなかったのかどんどん南下して、最終的にたどり着いたのが逗子。
夫婦二人で「ここだ!」と思えたのが、今の家を建てた場所だったと言う訳です。
ーー逗子で子育てをしていて、良かったと思うことはありますか?
中西さん:まずは、日々の暮らしの中で子どもと四季を感じられることです。家の裏山はフキノトウや筍など季節ごとの山菜がとれます。
子どもと遊びながら山菜を採り、自然の恵みに感謝しつつ料理して、家族で美味しくいただけるこの暮らしは本当に贅沢だなと思います。
また大らかで優しい人が多いこともこの街ならでは。私は凄く周りの人達に恵まれていると感じています。逗子と言っても山側のエリアに住んでいるのですが、お年寄りが多く、私の子どもたちを地域の方々が自分の孫の様に可愛がってくれています。「あれ、子どもたち、どこだ?」と探すと、隣のお宅にお邪魔して遊んでいたなんてことも(笑)。子どもが大声で騒いでいても、皆さん寛容に受け止めてくれています。
また、保育園のママ達なども「みんな自分の子」と言った雰囲気で、自分の子以外のお友達にも、自分の子と同じ様に接してくれます。
こんなことを自然と出来る人々を引き寄せ、育むところが逗子の魅力だと思います。
ーー最後に、中西さんの夢を聞かせてください。
中西さん:近い夢だと、イタリアン、パン、和食に精通し、偶然にも「東京から移住してきた子育て中の女性」という共通点を持った4人で今年はケータリング事業をスタートさせる予定です。まだまだ準備期間中で、具体的にはなっていないのですが、食材はもちろん器にまでこだわり、美味しい料理と非日常の時を味わってもらう特別なものにしたいと思っています。
その先の夢は、みんなが集える場所を作りたいと思っています。カフェなのか何になるのかはまだ分かりませんが、「自然といろいろな人が集い、楽しい会話が生まれる。そしてそこに集う人たちにちょっとした非日常を楽しんでいただく」
そんな場所づくりが逗子で出来たら楽しそうだなと思っています。地域に根付きながら、こころ豊かな暮らしを家族やここで出会う人達と楽しんでいきたいです。
ほっこりとしたお人柄の中西さんが主宰する料理教室【サイショクの会】は不定期で開催されています。スケジュールなど詳しい情報はインスタまたはWEBサイトでご確認ください。
SANTÉ(サイショクの会)
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料理教室【サイショクの会】は不定期で開催。スケジュールなど詳しい情報はSNSまたはWEBサイトでご確認ください。 |
ライター:zion_mama
東京の某ラジオ局の広報職を経て、雑誌やフリーペーパーのライターに。鎌倉在住。音楽と美味しいごはんが大好き。子育て中のママ目線で、湘南の遊び方を提案していきます。