鎌倉市材木座にあるレンタルスペース「マ・シャンブル」で、月2回開催されている『みんなの広場』。赤ちゃんから未就園の子どもとママが集う交流の場で、子育てに関するさまざまなイベントが行われています。
毎回親子で楽しめるプログラムが用意されていて、近所のみならず、電車やバスを使って遠方から訪れる親子もいます。
子どもやママ、講師、ボランティアスタッフまで。そこに集うみんなの笑顔が溢れる和やかなひととき。
今回は「わらべうた」&「タッチケア」の回にお邪魔し、その様子のリポートを交えながら『みんなの広場』についてご紹介します。
育児交流の場を続けたい!2人のママの願いが実現
以前、材木座公会堂で開催されていた『赤ちゃん広場』。週一回、赤ちゃんから未就園児親子、近隣のシニアの方が交流しながら楽しい時間を過ごせる場でした。
しかし、コロナ禍によるお休みと施設の修繕工事予定が重なり、惜しまれながらも2020年に12年間の歴史に終止符が打たれました。
「私は『赤ちゃん広場』があったから、子育て中の不安なことを乗り越えられた。自分もお世話になった広場を続けたかった」と話すのは、今回お話を伺った尾﨑ゆかりさん。幼稚園年長の男の子のママでもあります。
「同年代の子どもを持つママから、育児経験豊富なシニアの方まで。そこに行けば誰かしらいて子育ての悩みを共有したり、抱っこしておくからママはおしゃべりしていて!と言ってもらえたり。なくなって改めて気づいた、とても大切な場所と時間でした」と当時を振り返ります。
一方、同じ思いで『赤ちゃん広場』を利用していた川島晃子さん。現在は、小学一年生と幼稚園年少になる2人の子どものママです。
尾﨑さんはタッチケアセラピストとして、川島さんは音楽遊びの講師として『赤ちゃん広場』でもプログラムを持っていたお2人。「それなら、自分たちが『赤ちゃん広場』を引き継ごう!」と一念発起、新たな育児交流の場づくりに動き出します。
さまざまな準備や交渉などを経て、2021年2月、『赤ちゃん広場』と同じ材木座エリアのレンタルスペースにて、新生『みんなの広場』をスタートさせました。
今年度の『みんなの広場』は、月2回10:00~11:30に事前予約制で開催。コロナ禍ということもあり、現在は親子のみ対象で、定員も5組までと制限して行われます。
「わらべうた」「タッチケア」「音楽あそび」「キッドパス」「抱っことおんぶの質問会」など毎回さまざまなプログラムが用意されていて、参加費は一回200円。遠距離からでもリピートする親子も多いそうですよ。
『みんなの広場』の「わらべうた」&「タッチケア」に密着!
この日は、幼稚園の元園長先生が講師の「わらべうた」と、尾﨑さんによる「タッチケア」の回でした。
以前『赤ちゃん広場』を利用していたママも「赤ちゃんや小さい子どもと触れ合いたい!」と、ボランティアでお手伝いにきてくれます。
そんなママたちが、わが子のお下がりや使わなくなったおもちゃをフリマとして並べることも。
『赤ちゃん広場』でわらべうたを教えていた喜多村さん。『みんなの広場』でも、引き続き講師として参加してくださるそう。幼稚園の先生時代から36年間、子どもや保護者にわらべうたを教えていたスペシャリストです。
わらべうたを一緒に歌いながら、輪になって回ったり、挨拶などのスキンシップをしたり。わらべうたは、電車や病院の待ち時間など何かを待っているときに、ママが静かな声で子どもの耳元で歌ってあげるのも、子どもがリラックスして落ち着くそうですよ。
ときには皆でくっついたりもしながら、そのリズムや動きを何回もくり返します。
この「くり返す」こともポイントなのだとか。同じ絵本を何度でも「読んで!」と言ってくるのと同じように、赤ちゃんや小さい子どもはくり返すことで次の動作を予測し、「同じこと」を確認して安心しているそう。
「忘れないように!」とメモを取りながら、喜多村さんに個別にアドバイスをもらうママも。
「ネットや動画を見ているだけでは分からない」「わらべうた独特のリズムなど、実際に体験できるのがいい」という声も聞かれました。
「わらべうた」に続いて、尾﨑さんによる「タッチケア」。
ベビーマッサージの資格も持つ尾﨑さんは、現在タッチケアセラピストとして教室や各種イベントなどでタッチケアを親子に教えています。
手遊び歌を歌いながら、全身を優しくマッサージするように触れるタッチケア。着衣のままできるのも特長です。
気持ちよくなってきたのか、子どものとろんとした表情がかわいい!
途中、喜多村さんがママの肩をたたいたり、背中をさすってあげたり。ママだって、誰かに優しくマッサージされたら嬉しいですよね。
「タッチケア」が終わったあとは、終了時間まで自由に過ごします。
子どもたちもすっかり打ち解けて、さりげなく近寄って遊んでいる姿が印象的でした。そんな子どもたちを見ながら、ママたちの会話も弾みます。
始めは人見知りして緊張していた2歳女の子も、帰るときにはこの笑顔!
「自宅だとやることが多くて、ついそっちに目が行きがち。こういう場では子どもをじっくり見られて、遊ぶことに集中できるのが有難いです」と、ママも話していました。
『みんなの広場』は、ほかにも親子で楽しいプログラム満載!
ここで『みんなの広場』の、そのほかのプログラム内容をご紹介します。
写真は、主催者でもある川島晃子さんが講師の「音楽あそび」の回。『みんなの広場』の「音楽あそび」では、川島さんがピアノを弾きながら歌ってくれて、その音楽を楽しみながら親子で一緒に遊ぶプログラムなのだそう。
オペラやミュージカル、コンサートにも出演経験がある、声楽家でもある川島さん。鎌倉で『Amici Concert(アミーチコンチェルト)~お友達いっぱいのコンサート~』という、子どもも大人も楽しめる音楽会も開催されています。
また、取材時には「タッチケア」を教えていた尾﨑さんは、絵具のように使える画材「キットパス」のインストラクターでもあります。
そのキットパスを使って手形や足形をとり、その上に自由にお絵描きして作品を仕上げるプログラムも。
尾﨑さんや川島さんのお友だちで、「ベビーウェアリングコンシェルジュ」の資格を取得するために勉強しているママ・小嶋由起子さんによる「抱っことおんぶの質問会」もあります。
子どもの抱っこやおんぶの素朴な疑問や相談に答えてくれて、講師の小嶋さんも「皆さんからの質問が勉強になる!」と言っているそう。
そのほか、ママの体のメンテナンスとしてのヨガや、ときには整体の先生によるマッサージも開催することも。その間、尾﨑さんや川島さんを始めとしたスタッフが子どもを見守ってくれるので安心です。
誰もが充実した時間を過ごせる『みんなの広場』
『赤ちゃん広場』にお世話になった尾﨑さんと川島さんが、「なくしたくない!」という思いで引き継いだ『みんなの広場』。
子どもを中心に親子で楽しめて、先輩ママたち育児経験者とも交流できる、皆の穏やかな笑顔が溢れる温かい場所と時間でした。
「わが子が大きくなってきた今、赤ちゃんや小さい子どもたちと触れ合える『みんなの広場』は私の生きがいでもあります」と、尾﨑さんは笑います。
「こういった交流の場がないほかのエリアでも、『みんなの広場』のプログラムを開催できるといいなと思っています。そして、私のような主催者が世代交代でバトンタッチしていき、長く続いてくれると嬉しい」と、尾﨑さん。
『みんなの広場』の穏やかで楽しい空間、ぜひ気軽に参加してみてください。尾﨑さんや川島さんの優しいリードで、親子でリラックスしながら充実した時間を過ごせますよ。
みんなの広場
開催日 |
---|
毎月2回、木曜日10:00~11:30 |
開催場所 |
レンタルスペース「マ・シャンブル」 〒248-0013 神奈川県鎌倉市材木座2-8-41 [Googleマップ] |
アクセス |
JR鎌倉駅より京急バス「逗子・葉山駅(鎌40)」行き乗車、バス停「九品寺」下車徒歩4分 JR逗子駅、京急逗子・葉山駅より「鎌倉駅(鎌40)」行き乗車、バス停「五所神社」下車徒歩2分 |
対象 |
生後2か月~未就園児とママ(毎回5組まで) |
参加費 |
200円 / 回 |
駐輪場 |
有り |
駐車場 |
無し(近隣のコインパーキングをご利用ください) |
予約・お問い合わせ |
090-1876-6000(受付時間10:00~17:00) メールで問い合わせ |
WEBサイト |
https://ameblo.jp/amiciconcerto/ |
家族は夫・息子・犬一匹。東京→逗子生活も10年以上経過。海で泳ぎ、川で魚を探し、緑の中で虫採り。これからも子どもと一緒に楽しい発見をして、たくさんのママとシェアできたら嬉しいな。