藤沢北部の自然の恵みを満喫できる『農家レストラン いぶき』

藤沢南部に海の魅力があれば、藤沢北部には大地の恵みがあります。その恵みを活かし、共存しているのが『農家レストラン いぶき』。
用意されているのは地元を中心とした食材に発酵調味料を組み合わせた料理の数々。
健康的だからママも子供も安心でき、ビュッフェ形式だから食欲にぴったりの量が食べられます。

田園風景が広がるゆったりとした雰囲気の中で、くつろぎの時間と食事をどうぞ。

農家レストラン いぶきの看板

古材と現代的デザインがマッチしたモダンな店内

古材と現代的デザインがマッチしたモダンな建築の農家レストラン

南北に広がる藤沢。北部は江ノ島など、湘南の代表的な観光スポットです。全国区の知名度を持っており、年齢を問わず市内以外の人々も多く訪れています。でも、藤沢の魅力は南部だけではありません。

北部には親子で楽しめる施設や公園が点在しています。アウトドア施設が充実した『藤沢少年の森』や、体験と展示で自動車の楽しさを知ることができる『いすゞプラザ』、大人でもワクワクするプラネタリムを備えた『湘南台文化センターこども館』などがあり、これらと程近い場所に『農家レストラン いぶき』があります。北部へ遊びに行った時のランチのお店として、候補のひとつに入れておいてはいかがでしょう。

このレストランの魅力は大きく分けて3つ。開放的な店の雰囲気と発酵調味料を使った料理、収穫体験を始めとするさまざまな農業イベントです。

開放的な店の雰囲気の農家レストラン「いぶき」

場所は慶應義塾大学近隣、県道43号線と403号線を結ぶ道路沿いにあります。目印は藤沢市在住の書道家、武田双雲氏の書を元に制作された木製の看板。かなり目立ちますので見逃すことはありません。
店内に入って感じるのは空間がとても広いこと。天井が高く、古材を使った梁や柱と白い壁がマッチしており、和風モダンな雰囲気に仕上がっています。

子供用の椅子、洗面所にはおむつ交換台

この開放感、繁華街のビルにあるレストランモールでは味わえません。1軒屋レストランならではの魅力といえます。店内には子供用の椅子、洗面所にはおむつ交換台が用意されているので幼児や乳児を連れて行っても安心して食事を楽しめます。

農家レストランおすすめのテラス席

天気の良い日は店内奥のテラス席がおすすめです。目の前には花壇があり、四季折々の可憐な花々を眺めながら陽だまりの中でゆったりとした時間を過ごすことができます。

農家レストラン店内に飾られる朝摘みのお花

店内に飾られる花はスタッフによる朝摘み。テラス席でなくとも花壇の彩りを楽しむことができます。


自家製の発酵調味料が特徴の健康的な料理

農家レストランの発酵調味料を使用した料理

次に紹介するのは『農家レストラン いぶき』の大きなセールスポイントである料理です。発酵調味料と聞いて誰でも思い浮かぶのは味噌や醤油ですが、ここではその原型ともいえる大麦や大豆の麹を発酵させて作る自家製の醤(ひしお)や甘酒を使用しているのが特徴です。

農業法人株式会社いぶきの里崇さん、発酵させたきゅうりを持って

「約2週間、毎日手を入れて発酵させています」と教えてくれたのは店舗を経営している農業法人株式会社いぶきの企画・営業・マーケティングを担当されている里崇さん。

醤は「きゅうりの醤酢漬け」などいろいろな料理に使われており、なかでもおすすめなのが「醤と朝天醤の鶏の唐揚げ」。醤のちょうど良い味付けに加え、鶏の肩部分を食材としているので脂っこさがなく、しかも柔らかく仕上がっています。

子供も大好きな鶏の唐揚げ、これならヘルシーなので食べ過ぎに心配する必要はなさそうですね。

ビュッフェ形式の料理

好みに合わせて料理を選べるビュッフェ形式なので、少しずつ多くの品目を食べられるのも嬉しい点。なお、品目や内容は日替わりとなっています。

農家レストランのキッズプレート

このプレートのサイズが子供用。6~7品はたっぷり乗ります。他にも辛味を抑えたカレーなど子供好みの料理が用意されています。

バターナッツかぼちゃのスイーツ

昨年頃から流行りだしたバターナッツかぼちゃのスイーツ。ナッツの風味とかぼちゃの甘味がほどよくブレンドされています。甘酒を使った白玉しるこやはちみつ入りフルーツヨーグルトも好評。

ふかふかの畑でじゃがいも掘りの収穫体験

農家レストランいぶきの農業イベント

『農家レストラン いぶき』ではさまざまな農業イベントを開催しています。取材の日、じゃがいもの収穫体験があったので見学させていただきました。

収穫体験ができる畑はレストランから徒歩でわずかの距離にあります。畑の周囲を歩くと、土を踏み締めるというよりふかふかの絨毯の上を歩いているような感覚。
土に足がめり込む一般的な畑とはまったく違います。

畑を監理している『でくファーム』の川上和男さん

「木のチップを堆肥にして撒いているんです。発酵させることで微生物が育ち、畑の肥料になるんです。ですからこの畑は無農薬。子供でも安心して収穫体験ができますよ」と教えてくれたのは、この畑を監理している『でくファーム』の川上和男さん。言われて見れば、畑の四方に木のチップが積まれていました。

農業イベントのじゃがいもの収穫

じゃがいもの収穫に特別な装具は要りません。動きやすい服装と軍手だけ。ちなみに軍手は用意されています。柔らかな畑の土を手で掘れば、スルスルとじゃがいもが出てきます。当日の参加者も意外なほど簡単に収穫できたことに驚き、そして楽しんでいました。

畑の側面にはサクラが連なっています。春、満開の時期には収穫体験と同時にお花見もできるとのこと。なお、収穫体験は季節によって農作物が変わります。

収穫したじゃがいもで作ったポタージュスープ

収穫した農作物はもちろんお持ち帰りできます。この日、筆者もじゃがいもをおすそ分けしていただいたので、自宅で3品ばかりじゃがいも料理を作ってみました。明太子和え、ポタージュ、それからシンプルなじゃがバターです。

このうち、もっともおいしかったのがじゃがバター(もちろん料理の腕前にもよりますが)。熱々のホクホク感もさることながら皮が柔らかく口の中に残りません。改めて新鮮な野菜のおいしさを感じさせてくれました。

収穫したじゃがいもで作ったじゃがバター


地元への貢献と活性化を目指して

農家レストラン、最近は各地にできています。農家が自主生産した食材、または密接な関係にある農家の生産した食材を使った飲食店が農家レストランと呼ばれていますが、ここは国家戦略特区による規制緩和の措置を受けて開業した本格的な農家レストランです。

一般的に農地での店舗開業は認められていませんが、特区の地域農産物利用促進事業制度を活用したことで開業に至りました。特区における農家レストランは関東で初めて、全国でもわずか6例に留まっています。

特区における制度緩和の利用といっても、いろいろと付帯する条件があります。たとえば使用する食材。藤沢市の場合、市内で生産される農畜産物を量的または金額的に50%以上使用することが義務付けられています。結果、少量生産の食材が主となるので原価率は上がってしまいます。店舗経営はけっして簡単ではありません。

農家レストランの経営者

それでも農家レストランを開業したのは地元、藤沢北部への貢献と振興を目的としているから。

「藤沢北部には里山や農家が多くあります。この自然環境を残し、広く知ってもらうこともこのレストランを開業した目的のひとつです。農業法人株式会社いぶきは単に食事を提供するだけでなく、農業や自然に関するさまざまなイベント、セミナーも実施しています。幸い、藤沢北部には川上さんを始め、地元を盛り上げようという有志がたくさんいらっしゃるので、そういった方々と一緒に藤沢北部の活性化を図りたいと思っています」と語る里さん。

前出の川上さんが同席すると、今後の活動について熱く会話をされていました。健康的な食事と同時に、いぶきの活動や情報発信にも注目したいですね。

余談ですが、自家製の発酵調味料である醤、そのままご飯にのせてもおいしくいただけます。ぜひお試しあれ。

農家レストランいぶき自家製の発酵調味料である醤をのせた白ごはん



ライター

ライター:TaddyBear
女性雑誌や旅行誌、カード誌など紙媒体を経て現在はWEB媒体を中心に活動しているナチュラル・ボーン・フリーライター。高校は辻堂に通っていたので湘南が遊び場になった経験あり。現在は横浜在住。湘南へ遊びに行きたいママさん目線、大切にしたいと思っています。

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