茅ヶ崎のコワーキング&ライブラリー『Cの辺り』で広がる人のつながり

国道134号線沿い、茅ヶ崎市のサザンビーチちがさき。
“C”のモニュメントが有名なこのビーチに、『Cの辺り』という名前のコワーキング&ライブラリーが、2021年9月1日にオープンしました。

茅ヶ崎コワーキングスペース・ライブラリー「Cの辺り」外観

場所は茅ヶ崎サザンビーチ駐車場を挟んだ、「茅ヶ崎サザンC」の真向かい。まさに、“Cの辺り”です。

茅ヶ崎コワーキングスペース・ライブラリー「Cの辺り」の室内

建物の中は、たくさんの仲間たちで作り上げた空間。自由なスタイルで働けるコワーキングスペースと、本の貸し借りができるライブラリーエリアがあります。

でも、実はそれだけではないのです。
海辺にそっと佇むこの手作り空間では、大人も子どももごちゃごちゃに交じり合いながら、さまざまな縦・横・斜めの関係性が生まれるきっかけに溢れているのです。
そんな、人と人のつながりが広がる幸せな場所、『Cの辺り』をご紹介します!

コワーキングとライブラリー。2つの機能が融合するスペース

『Cの辺り』オーナーは、茅ヶ崎市在住の池田さん夫婦。8歳女の子と3歳男の子のパパとママでもあります。

茅ヶ崎コワーキングスペース・ライブラリー「Cの辺り」オーナー

池田一彦さん・美砂子さん夫婦

一彦さんは広告のプランニングディレクター、美砂子さんはライター/エディターとして、ここ『Cの辺り』で日々仕事されています。

茅ヶ崎コワーキングスペース・ライブラリー「Cの辺り」の床サイン

入口を入ってすぐの、床のかわいいサイン

『Cの辺り』には、大きく分けて「コワーキング」と「ライブラリー」の2つの機能があり、その空間もゆるくですが使い分けされています。

茅ヶ崎コワーキングスペース「Cの辺り」のワークスペース

入口を入って左側がコワーキングとしてのスペース。
どこに座っても大きな窓から海を見渡せる、Wi-Fiと電源が完備された席が約20席あります。ウッドデッキで仕事をする人もいて、静かに繰り返す波の音がBGMになり、逆に集中できるという声も。
また、メンバー同士のちょっとした雑談で休憩したり、面白い企画が生まれたりすることもあるそう。

WEB会議用の個室や会議室

WEB会議用の個室や会議室も完備

子育て中のコワーキングメンバーも多く、例えば夫婦で利用、夕方どちらかが保育園へ子どもをお迎えしてここにまた帰ってくる。また、パパがメンバーで日中はここで仕事、ママと子どもはサザンビーチで遊び、お昼に合流して近場のお店にランチへ。そのあと、ママと子どもも、ここでライブラリーを眺めたり、お茶を飲んだりして午後のひとときを過ごすという利用法も見られるのだとか。

料金システムは、いつでも利用できる「レギュラーメンバー:15,000円/月」と、1年間有効で1回1日利用できる「スポットメンバー:10,000円/5回」の2つです。

茅ヶ崎コワーキングスペース「Cの辺り」のライブラリースペース

そして、入口を入って右側はライブラリーエリア。約50箱ある本棚がずらり!
「まちの“あの人”と、つながる図書館」をコンセプトに、「ライブラリーオーナー:2,000円/月」の利用料金で、本棚一箱をオーナーとして所有できます。
貸し出しできる本を並べるのはもちろん、作品やチラシを展示したりする人も。それぞれのオーナーの個性が感じられます。

ライブラリースペースの本棚

各本棚にはオーナープロフィールとSNSのQRコードが

借りるときは初回のみ登録料500円で、いつでも誰でも無料で本を借りに立ち寄れます。さらに、ライブラリーエリアの席やソファ、ウッドデッキでの読書も可能。
本には感想を記入できるカードが挟み込まれていて、このカードを通してのコミュニケーションもできる楽しい仕掛けも。本を介して、人とのつながりが広がっていきます。

自宅の本棚「うみべのとしょかん」

以前、池田さん一家は自宅玄関スペースに本棚を作り、「うみべのとしょかん」という屋号で週3回程度、娘さんが館長として家にある本を貸し出していたそう。看板を出しておくと近所の人が面白がって借りに来てくれるようになり、返却時の感想など、そのやり取りで人のつながりが発展。
現在は『Cの辺り』に移転し、娘さんがオーナーとして絵本をセレクトしていますよ。


物件との出合いからオープンまでに起こった、つながりの連鎖

2020年初めに起こった、コロナウィルス感染症拡大。
もともと美砂子さんはフリーライターとして自宅で仕事していましたが、東京のオフィスまで通勤していた一彦さんも在宅勤務となります。そして、兼ねてから考えていた独立への意向も合わさり、年末に退職。年明けの2021年1月に夫婦で「株式会社be」を設立しました。

茅ヶ崎サザンビーチ

自宅そばにオフィスとして借りられる物件がないかと考えていたころ、サザンビーチで遊んでいるときに空き家になっていた現在の物件をたまたま見かけます。

茅ヶ崎サザンビーチ近くの空き家

「ここだ!」と不動産屋さんに駆け込むと、問い合わせが殺到しているという状況。それならばダメ元でエントリーしてみようと、コワーキングスペースの企画書と共に応募すると、まさかの当選!

「自分たちがとは思っていなかったので、『借りられちゃった、やばい!そしたら、もう場所を作るしかない!!』と焦りながらも、突然スタートした感じです」と、当時のことを二人で笑いながら話します。

茅ヶ崎コワーキングスペース「Cの辺り」の内装準備

始めから内装はDIYでと想定していた二人は、ここで面白いイベントを企画します。
4月後半の物件引き渡し後のGWに、「床張りワークショップ」として参加者を募ったのです。

「地元の建築関係の知人のアドバイスをもらいながら、私たちの会社の企業理念でもある『積極的に助けられる』をベースに、みんなの手を借りながら場づくりをしていこうと。そこで、まずは床張りを一緒にやりませんか?と友人たちに声をかけました」

茅ヶ崎コワーキングスペース「Cの辺り」の床張り

床の支えとなる根太(ねだ)の間に断熱材を敷き詰めたら合板を打ち付け、その上に床となる足場板を打ち付けて完成。
計画通りに最後まではいかなかったけれど、3日間の予定にたくさんの人が駆けつけました。

「感染症拡大防止を考慮して、宣伝や告知は控えて親しい友人にのみ声をかけたのですが、皆さん面白がって来てくださり、『いい体験、想い出になった』と作業を楽しんでいただけました」と振り返ります。

床張りワークショップの参加者

その後も二人はここで本職の仕事をしながら、DIY作業を続けます。その作業状況を美砂子さんが日々Facebookで発信。すると、ページを見た近隣の人が「手伝うよ」とふらりと立ち寄ってくれることも。そして、6月にはライブラリーの本棚作りのワークショップも開催。
2021年7月のプレオープン時までに、一連のDIYに関わった人は延べ100人以上!たくさんの人に積極的に助けられながら、助ける人たちもここでつながり合いながら。

「茅ヶ崎サザンC」の目の前で、『Cの辺り』が出来上がっていきました。

関係性から生まれる、自然な助け合いと多様な楽しみ方

小さなお子さん二人の子育て真っ最中の池田さん夫婦は、当初からオープン時間は平日9:00~17:00と決めていました。

茅ヶ崎コワーキングスペース「Cの辺り」の店番

そこで、コワーキングメンバーやライブラリーオーナーが仕事をしながらのお店番制度も導入。無償ながらも手を挙げてくれるメンバーも多く、平日夜や土日もオープンできる時間が少しずつ増えていっています。
ここでも、お二人の「積極的に助けられる」理念が垣間見られます。

茅ヶ崎コワーキングスペース「Cの辺り」の土日ワークショップ

土日は、お店番をしながら小さなワークショップ=ワンテーブルイベントも開催可能。
写真は、精進料理を通して食の大切さを教えているメンバーによる料理教室。その横で、いつも通りパソコン仕事をしているメンバーもいる、なんとも不思議な空間に。
メンバーの表現の場、ちょっとしたチャレンジの場として、今後もさまざまなプチイベントが予定されているそうですよ。

料理教室ワークショップ参加者の子どもたち

料理教室開催後は、遊びにきていた子どもたちの即興人形劇がスタート。教室に参加していた大人が鑑賞するという微笑ましい光景も。

毎週木曜日に開催するハッピーアワータイム

また、隔週金曜17:30からは「ハッピーアワー」を開催。
誰でも参加OKで、茅ヶ崎の飲食店のお弁当をテイクアウトして夕飯を一緒に食べたり、海で焚火を囲んでおしゃべりしたり、子どもたちは花火をしたり。

「隔週金曜の夜、池田家はここで夕飯を食べているので誰でも遊びにきてくださいねー!と、自由に開いている場です。ワイワイやっているので、良ければぜひいらしてくださいね」

茅ヶ崎コワーキングスペースの平日

ちなみに、取材をしたのは平日の昼下がり。
『Cの辺り』の入口ドアが開き、「ただいまー!」と元気よく娘さんが学校から帰ってきました。そうしたら、仕事をしていたメンバーが「おかえりー」と応えます。

「友達を連れてきて個室で一緒に宿題をしたり、ここから遊びに行ったり。大人が仕事をしている場所に、子どもたちも当たり前にいる。みんなでみんなの子どもを見ていく。同じ町に住む子どもと大人のさまざまな関わりが自然に営まれる空間になるといいな、と思います。ここが小さなモデルになって、町や社会全体に広がっていってくれたら嬉しい」と美砂子さんは話します。

まずは気軽にふらりと。『Cの辺り』で会いましょう

株式会社beに「積極的に助けられる」という理念があるように、『Cの辺り』にも「大事にしたい5つのbe(あり方)」があります。
それは、「つくる」「つながる」「もちよる」「たすけられる」「おもしろがる」の5つ。
仲間たちと行ったDIY作業から、現在の運営スタイルまで一貫している5つの「be」です。

コーヒーとグリーン植物

その5つの「be」を理解して実践できる大人たちが集う場所に、子どもたちも自然に溶け込む。大人と子どもがごちゃまぜになりながらも、ハッピーな化学反応のようなものがここでは起きていると、お二人の話を聞きながら感じました。

茅ヶ崎サザンビーチの砂浜

『Cの辺り』にはFacebookのグループコミュニティーもあり、イベントやメンバーによるワークショップもそこで確認できます。遠方の人も「応援したい」「情報を知りたい」と、今では300人弱の登録があるそう。気になる人は、ぜひメンバー申請してみてくださいね。

茅ヶ崎サザンCの辺り

「茅ヶ崎サザンC」の辺りでは、今日も賑やかながらも穏やかな時間が流れています。
まずはふらりと、『Cの辺り』のドアを開けてみてください。きっと、さまざまなつながりが結ばれていく最初の扉になるはずです。


ライター
ライター:jpbanana
家族は夫・息子・犬一匹。東京→逗子生活も10年以上経過。海で泳ぎ、川で魚を探し、緑の中で虫採り。これからも子どもと一緒に楽しい発見をして、たくさんのママとシェアできたら嬉しいな。
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