親子で楽しむ山歩きのポイントを、葉山『仙元山ハイキングコース』で体験!

湘南エリアでも、特に鎌倉から逗子・葉山付近には、小さい子どもでも山歩きが楽しめるハイキングコースがたくさんあります。

そこで今回は、鎌倉・逗子・葉山をメインに親子山歩きをレクチャーされている直原郁子さんと実際のコースを歩きながら、山歩きの注意点やポイントなどを教えていただきました。

登山ツアーガイドの直原郁子さん

直原郁子(じきはらふみこ)さん

某有名アウトドアメーカーに20年以上勤務、同社主催のさまざまな登山ツアーのガイドとしても活躍する直原さん。日本山岳ガイド協会認定の登山ガイドステージⅡの資格もお持ちです。

そんな彼女と実際に体験したのは、葉山の森戸海岸を一望できる『仙元山ハイキングコース』。最短で約3キロメートル、初心者でも気軽に山歩きを楽しめるハイキングコースです。

葉山のハイキングコースを楽しむ親子

実は、登山道を歩くようなハイキングは未体験の筆者親子。今回体験してみて身に染みたこと、そして楽しかったことが盛りだくさん!
その様子を交えながら、初心者親子でも安心して山歩きを楽しめるコツをご紹介します。

子どもとの山歩きは道草OK!余裕をもったコース選びを

まずは、子連れでの山歩きを伴うハイキングの心構えやコース選びなど、事前に押さえておきたいポイントを直原さんにお聞きしました。

湘南エリアで山を歩くなら、冬の特に寒い日を除いた、秋から春先にかけてベストシーズン。夏は暑さに加えて、蚊や毒性が強いチャドクガの幼虫などが多いので、あまりおすすめできないそう。

山歩きを楽しむママと幼児

また、「私も息子が小さいとき『もうちょっとだから頑張ろう!』とまくしたてた結果、もう歩きたくないと、しばらくは誘っても嫌がってしまった苦い経験があります」と直原さん。
3歳くらいまでの小さい子どもは、山頂やゴールなど目標を持って歩けません。子どもの興味や自然を一緒に楽しむ“自然遊び”の感覚でいてほしいと言います。

仙元山ハイキングコースのマップ

そのためにも、事前にコースの下調べをして子どもの年齢や状態を考慮したルートを選ぶことが大切です。
中でも重要なのが所要時間を表すコースタイムで、一般的なガイドブックや地図に書かれている時間は大人向けなので、子連れのときは以下の時間や距離を目安にプランニングを。

コース選びのポイント

  • 2~4才くらいは道草を大いに楽しめるよう、コースタイムの倍+お昼休憩、1時間半~2時間程度のコース(距離の目安:~3キロメートル)
  • 年長や小学生になり歩ける時間が長くなってきたら、お昼休憩を含めてコースタイムの倍、2時間半~3時間のコース(距離の目安:4~6キロメートル)
  • 普段から山歩きに親しんでいたら、小学2~3年生ぐらいから大人と同じコースタイムで歩けるように
葉山・仙元山の山並み

今回体験した、葉山にある仙元山の山並み

初心者や小さい子ども連れなら、場所や標高は地元の低山、この辺りでは標高200メートル程度が目安。慣れてきたら、高さや距離を伸ばしていくといいそうです。


『仙元山ハイキングコース』で、親子で山歩きを体験!

それでは直原さんガイドのもと、葉山『仙元山ハイキングコース』を体験してきた様子を実際のルートに沿ってご紹介します。
「みんなでワイワイ登ったほうが楽しいですよ」ということで、子どもは1才3カ月から小学4年生まで、筆者親子含め総勢5家族の親子連れが参加しました!

葉山・花の木公園入り口

花の木公園入口

集合・スタートは、葉山町消防署の隣にある花の木公園[Googleマップ]。JR逗子駅、京急逗子・葉山駅より京急バスに乗車、バス停「葉山小学校」下車徒歩1分です。

今日のハイキング行程を確認するガイドと子ども

まずは地図で今日の行程などの説明がありました。
小学生ぐらいになると、コース全体や今いる場所はどこなのかを地図で説明すると、“今”だけではなく“全体の流れ”を理解して楽しめるようになってくるそう。

準備体操するハイキング参加者

そして大切なのが準備体操。とくに大人!
普段使わない筋肉を使うこともあるので、全身をしっかり伸ばすストレッチなどを行ってから登り始めましょう。終了後も、同様に伸ばしておくことをおすすめします。

花の木公園のトイレ

トイレの場所も、あらかじめ調べて把握しておきましょう。
『仙元山ハイキングコース』では、花の木公園と仙元山山頂の2カ所です。

ハイキングコースの登山道入り口に向かう親子

いざ出発!
登山道入口までは、静かな住宅街を登ります。細い道なので、車に気を付けて。

登山道を歩く親子

住宅街を10分ほど歩くと、いよいよ登山道へ。
山道を歩くときは、なるべく山側に沿って。親子横に並んで歩くときは、大人が谷側を歩きましょう。

ハイキングコースの地図看板

コースの各所に現在地が記された地図看板が立っているので、道に迷うことなく安心です。

休憩・おやつタイムをとる子ども

20分ほど歩いたところで1回目の休憩&おやつタイム。暑かったら上着を脱ぐなどして調整しましょう。
また疲れてきたときは、お菓子がモチベーションになる場合も。「少し先の休憩スポットでおやつを食べようね」と目標設定に使うのも手です。

ソッカ山頂の景色

ソッカ山頂からの江の島や相模湾、富士山の眺望

さらに30分程度歩くと、通称“ソッカ山頂”と呼ばれる絶景スポットに到着。有志の方々が定期的に整備してくださっている場所です。

お昼ごはんを食べる親子

この日もメンテナンス作業をされていて、その片隅をお借りして、お楽しみのお昼ご飯タイムにしました。
食事が終わると、子どもたちは虫を探したり走り回ったり、大人はおしゃべりに花が咲きます。

仙元山山頂への階段

続いて、仙元山山頂に向けて出発。
ソッカ山頂と仙元山山頂の間は、地元の人からも“地獄階段”と呼ばれている270段もの階段を、一旦下ってからまた上がるルートになります。その急勾配に大人たち絶叫!躊躇なくスイスイ下っていく子どもたち、すごいです…。

仙元山山頂に到着して喜ぶ子ども

歩くこと1時間弱、仙元山山頂スポットに到着。「着いたー!」と、親子ともに清々しい達成感!葉山の海岸から相模湾、天気が良ければ富士山を一望できます。

木のブランコ

木の枝にくくりつけられたブランコもありました。絶景のなか、山の麓に放り投げられている感覚でスリリング!

山頂のテーブル・ベンチ

山頂にはテーブルとベンチもあるので、ここでお昼ご飯でも。また、トイレもありますよ。

森戸海岸に向けて下山する親子

休憩しながらもひとしきり遊んだら、最後のゴール、森戸海岸に向けて下山開始!

葉山教会横の登山道出口

登山道の出口は葉山教会[Googleマップ]の横。ここから少し足を伸ばして、一般道を通って森戸海岸を目指します。

森戸海岸に到着した子ども

葉山教会からは15分程度で森戸海岸に到着!

スタートからここまで、休憩や遊ぶ時間をたっぷりとること約4時間・3.5キロメートルの行程。
初めての山歩きは飽きないかな…、もう嫌だと言わないかな…と心配でしたが、そんなことは微塵もなく、自然の中を軽やかに歩きながら遊び尽くしていました。

お疲れさまでした…

森戸海岸で遊ぶ子どもたち

となるはずがなく(笑)、ここでもひと遊び。山に海に、自然を大満喫した一日でした。
ちなみに、森戸海岸からもJR逗子駅方面へのバスがあるので、帰路はご安心を!


子連れでの山歩き、知っておきたい安心ポイント

ここでは直原さんに教えてもらったことで、実際山歩きを体験してみて「なるほど!」と分かったことを紹介します。

服装など

特に子どもは、よく動いて汗をかきます。綿素材だと汗で濡れると乾きづらく身体が冷えてしまうので、洋服全般は速乾性の化繊タイプがおすすめ。ズボンはストレッチタイプが動きやすいです。

ハイキングの服装

歩いているときは暑くなりますが、休憩していると汗が引いて急に冷えてきます。脱ぎ着しやすいウインドブレーカーや、冬はフリースやダウンなど防寒着の準備もお忘れなく。
そして着替えやレインウェアもあると安心です。レインウェアは上下セパレートタイプだと動きやすく、寒いときの風よけにもなります。

帽子は熱中症や日焼け防止のほかに、木の枝などに頭がぶつかったときに出血が防げることも。また、枝をつかんだりすることもあるので、保護のために手袋があっても安心。軍手で十分です。

取材日は雨の翌日で、タウンユースのスニーカーで行ってしまった筆者は滑って転び、お尻を強打(涙)。
子どもも大人も登山靴がより安心ですが、ない場合はなるべく滑りづらいスニーカーにしましょう。

抱っこ紐、ベビーキャリア

まだ歩くのがままならない下の子を連れて行くときは、このコースなら抱っこ紐でも十分。

赤ちゃんをおんぶして山登りをするお父さん

実際、今回一緒に行った1才3カ月の子は、ほぼパパが抱っこ紐を使っていました。

ただ、抱っこ紐だとお互いの体が密着するので暑くなることと、大人が交替しづらい難点も。
そんなときは、荷物も入れられる登山用ベビーキャリアがおすすめ。生後9か月から3才ごろまで使えて、自立するので寝てしまってもそのまま下ろせます。とはいえ子どもが嫌がることもあるので、購入するときはお店で実際に試してみてからにしましょう。

虫対策

初秋は蚊の虫よけスプレーに加えて、ハチやアブ対策として黒い洋服はなるべく避け、帽子を被っておきましょう。

スズメバチにスプレーすると、ハチにとっての嫌な香りと攻撃本能が一時的になくなり、その隙に逃げることを目的とした商品も。10月ごろのハチが多い時期に、お守りがわりにあると安心です。実際、取材日も大きなスズメバチがいて、このスプレーが大活躍でした。

応急処置

応急処置用に最低限持っておくと安心なものは絆創膏ととげ抜き、真水。水は外傷の傷口洗浄用にですが、手についた泥などを洗い流すのにも役立ちました。

思い出に残る山歩きハイキング。ぜひ親子やお友だちと!

今回初めて体験してみた山歩き。自然の中、息子が楽しそうに歩く姿を見られたことも嬉しかったです。

山歩きを楽しむ親子

ガイドをお願いした直原さんも小学生の男の子のママで、日ごろ親子で山歩きを楽しんでいるそう。
「山での非日常の感覚が楽しいと子どもは生き生きし、また成長も感じられます。その姿を間近で見られ、一緒に喜び合えるのも魅力の一つです」と話してくれました。

葉山ハイキングを楽しんだ子どもたち

「初めまして」の親子でも、最後には打ち解けていたことも楽しさを倍増してくれました。子どもたちもすっかり仲良しになって遊ぶ姿が微笑ましく、帰りのバイバイも名残惜しそうにしていました。

ほかにも「鎌倉・天園ハイキングコース」「はやま三ヶ岡山緑地」「鷹取山」「大楠山」「二子山」など、近隣にも気軽に山歩きを楽しめるハイキングコースがたくさんあります。
親子や家族で、そしてお友だちとも。今回ご紹介したポイントを参考に、子どもと一緒に山歩きを楽しんでみてくださいね。


ライター
ライター:jpbanana
家族は夫・息子・犬一匹。東京→逗子生活も10年以上経過。海で泳ぎ、川で魚を探し、緑の中で虫採り。これからも子どもと一緒に楽しい発見をして、たくさんのママとシェアできたら嬉しいな。
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